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地球の自然界における元素の存在・産出状態

地球の自然界には約90種の元素があり,鉱物などのさまざまな化合物を形成しています。
地球は半径約6400kmの球体で,地下数〜数10km(平均16kmまでの深さ)までの地殻という表層部・それより深い地下2900kmまでのマントル・さらにそれより深い核という内部構造で,それぞれの構成元素の割合は大きく異なっています。
地球は46億年前に微惑星(隕石であるコンドライト)がぶつかりあってでき,できた当初はドロドロに溶けた均質なマグマのかたまりでしたが,固まってくるとこのような構造になりました。

地球の誕生と進化,それに伴う元素の動き
※元素の存在率は文献により若干,違いがある。
※他の惑星ではこの元素の存在比率は大きく異なる。

・地殻(地下数〜数10kmまでの表層部,平均して16kmまでの深さ)の元素

地殻は酸素(O)とケイ素(Si)で全体の約75%が占められ,これは石英やケイ酸塩鉱物(長石類・雲母類・角閃石類・輝石類など)という,酸素とケイ素を主成分とする鉱物が集まってできているからです。アルミニウム(Al)・ 鉄(Fe)・カルシウム(Ca)・ナトリウム(Na)・マグネシウム(Mg)・カリウム(K)などの多くもケイ酸塩鉱物に含まれ,これら8種の元素で全体の約99%が占められ,われわれの身の回りの石の多くもこれらが主成分です。なお,ケイ酸塩鉱物以外として,鉄は酸化鉄である鉄鉱石(主に赤鉄鉱 Fe2O3),カルシウムは炭酸カルシウムである石灰岩(主に方解石 CaCO3)としてもいくらかは存在しています。
そのほかの約80種の元素は合わせても1%程度で,身近な銅(Cu)・ 鉛(Pb)・亜鉛(Zn)などの有用金属もこの約1%に含まれます。なお,リチウム(Li)・チタン(Ti)・クロム(Cr)・バナジウム(V)などは産業で需要が多い反面,存在量が少なく,特に「レアメタル」と呼ばれています。そして,金(Au)・銀(Ag)などは非常に存在量が少なく「貴金属」と呼ばれ,白金(Pt)・パラジウム(Pd)は「レアメタル」であると同時に「貴金属」です。

・マントル(地殻より深く,約2900kmまでの部分)の元素
マントルも酸素(O)とケイ素(Si)が多く,それらが全体の約67%を占めていますが,地殻とは違い,アルミニウム(Al)・カルシウム(Ca)がかなり少なく,特にナトリウム(Na)・カリウム(K)は微量しかなく,鉱物としては石英・長石類はほとんど存在しません。そのかわり,マグネシウム(Mg)に非常に富み,地下400kmまでの深さの部分(上部マントル)は,かんらん石や輝石などのマグネシウムを主とするケイ酸塩鉱物が多いです。これらの鉱物は,かんらん岩を構成しています。そして地下400kmより深い部分(下部マントル)は特に圧力が高いため,それらの酸素・ケイ素・マグネシウムなどの原子は密な配列をなし,かんらん石・輝石などとは違う密度の高い別の鉱物になっています。なお炭素(C)は地殻では石墨などになりますが,地下180km以深(約6万気圧以上)のマントルではダイヤモンドになります 。

・核(地下約2900kmより深い部分)の元素
核は,鉄(Fe)約90%と,ニッケル(Ni)など約10%からなり,その鉄−ニッケル合金が主な構成物質で,地殻やマントルに多い酸素(O)やケイ素(Si)などはわずかしかありません。この核の物質は地球に落下する鉄隕石と同じものです。なお,貴金属である白金(Pt)・パラジウム(Pd)・金(Au)などは,地殻やマントルでは非常にわずか(平均して10億分の1程度)ですが,核ではそれよりずっと豊富に存在し,平均して100万分の1程度含まれています(
鉄隕石は,地球と似たような惑星が宇宙空間で他の天体と衝突して破壊され,その核が分離したものが後に地球に落下したもの

地球における各種元素の存在状態

元素の周期表では同じ族の元素(同族元素/縦位置が同じ元素)同士が似たような化学的性質があり,自然界でも同族元素どうしが似たような環境のもとに一緒に集まり,同じ岩石や鉱物などに含まれる傾向があります。


凡例)

元素名水 素
     1 H
  原子番号 元素記号

下の周期表の青字の元素名または元素記号を クリックすると,その元素の地球での存在状態がわかります(うすい灰色の字の元素は自然界には全く存在しないか,ほとんど存在しない人工元素)
 
また,族の番号(1〜18)を
クリックすると,その族の自然界における概要がわかります。


  \
周期 
10
11
12
13
14
15
16
17
18
水素
1H
















ヘリウム 
  2He
リチウム
3Li
ベリリウム
4Be










ホウ素
5B
炭素
6C
窒素7N
酸素8O
フッ素
9F
ネオン10Ne
ナトリウム11Na マグネシウム12Mg









アルミニウム13Al
ケイ素14Si
リン15P
イオウ16S
塩素17Cl
アルゴン
18Ar
カリウム
19K
カルシウム20Ca スカンジウム21Sc チタン22Ti バナジウム
23V
クロム24Cr
マンガン25Mn

26Fe
コバルト
27Co
ニッケル
28Ni
29Cu
亜鉛30Zn
ガリウム31Ga
ゲルマニウム32Ge
ヒ素33As
セレン34Se
臭素35Br
クリプトン
36Kr
ルビジウム37Rb
ストロンチウム38Sr イットリウム39Y
ジルコニウム40Zr
ニオブ41Nb
モリブデン
42Mo
テクネチウム 43Tc
ルテニウム
44Ru
ロジウム45Rh
パラジウム46Pd

47Ag
カドミウム48Cd
インジウム49In
50Sn
アンチモン51Sb
テルル52Te
ヨウ素53I
キセノン54Xe
セシウム55Cs
バリウム56Ba
ランタノイド
ハフニウム
72Hf
タンタル73Ta
タングステン
74W
レニウム75Re
オスミウム
76Os
イリジウム
77Ir
白金
78Pt
79Au
水銀80Hg
タリウム
81Tl
82Pb
ビスマス
83Bi
ポロニウム84Po
アスタチン85At
ラドン86Rn
フランシウム87Fr
ラジウム88Ra
アクチノイド
ラザフォルニウム 104Rf
ドブニウム 105Db
シーボーギウム 106Sg
バークリウム 107Bh
ハッシウム 108Hs
マイトネリウム 109Mt









 
ランタノイド
ランタン57La
セリウム58Ce
プラセオジム
59Pr
ネオジム60Nd
プロメチウム 
61Pm
サマリウム
62Sm
ユウロピウム
63Eu
ガドリニウム
64Gd
テルビウム
65Tb
ジスプロシウム66Dy ホルミウム
67Ho
エルビウム
68Er
ツリウム69Tm
イッテルビウム
70Yb
ルテチウム
71Lu

 
アクチノ イド アクチニウム
89Ac
トリウム90Th
プロトアクチニウム91Pa
ウラン92U
ネプツニウム 
93Np
プルトニウム 
94Pu
アメリシウム 
95Am
キュリウム 
96Cm
バークリウム 
  97Bk
カリホルニウム     98Cf アインスタイニウム
 99
Es
フェルミウム 
  100Fm
メンデレビウム     101Md ノーベリウム 
  102No
ローレンシウム 
  103Lr