<自
然界での産出> 自然界では硫黄と化合した方鉛鉱という鉱物で産することが多く,世界で採掘されて いる鉛鉱石の大部分は方鉛鉱である。方鉛鉱は亜鉛の主要鉱物である閃 亜鉛鉱と密接に共生して産することが多く,鉛と亜鉛は一緒に採掘されることが多い。 その他の鉛の鉱物としては白鉛鉱,青鉛鉱等があるが,産出が少なく 鉱石としては利用されない。 |
<用途> 鉛は重り・放射線の遮へい材・蓄電池・ハンダ(スズとの合金)などに用いられている。また,光学機器のレンズは屈折率を高めるため,そのガラスに鉛が加えられている。なお,江戸時代以前の寛永通宝などの銅貨幣にも数〜20%程度含まれている。 |
方 鉛鉱 galena 成分:硫化鉛 PbS 金属光沢の強い鉛灰色の塊状。さいころのような形に割れ,比重が極めて高く,持ち重りがする。 ・秋田県太良鉱山産 |
ミメット鉱 mimetite 成分:鉛のヒ酸塩 Pb5(AsO4)3Cl 方鉛鉱が低温の熱水や地下水の作用で分解してできる。黄〜白色の小さな6角柱状や皮膜状をなす。 ・宮崎県見立鉱山産 |
白鉛鉱 cerussite 成分:鉛の炭酸塩 PbCO3 方鉛鉱が低温の熱水や地下水の作用で分解してできる。金剛光沢のある白い皮膜状や柱状をなす。 ・兵庫県新井鉱山産 |
硫酸鉛鉱 anglesite 成分:鉛の硫酸塩 PbSO4 方鉛鉱が低温の熱水や地下水の作用で酸化分解してできる。金剛光沢のある白っぽい皮膜状や柱状のほか,方鉛鉱の周りを灰色層状で取り囲んで産する。白鉛 鉱に 似るが塩酸で発泡しない。 ・兵庫県新井鉱山産 |