【ストロンチウム】(2族 元素記号:Sr)    [周期表へもどる]
 
<自然界での産出>
 ストロンチウムは石灰岩(炭酸カルシウム)や石膏(硫酸カルシウム)のカルシウムを微量置換して存在している。
 またストロンチウムを主成分とする天青石やストロンチアン石としても産出する。
 資源としては天青石が重要

ストロンチウムの発見の経緯)
1787年にイギリスのホープによりイギリス(スコットランド)のストロンチアンの鉛鉱山で発見されストロンチアナイトと命名された鉱物(下右写真)が,ほどなくイギリスのクロフォードの炎色反応による試験で,当時,未知の元素を含んでいることが示された。そして1808年にイギリスのデービーが,ストロンチアナイトからその元素を電解法で取り出すことに成功し,それをストロンチウムと命名した。
<用途>
 ストロンチウムは炎色反応が美しい赤色を示すことから,その塩は花火の赤色の発色原料とされる。また,ある種のガラスの成分として用いられる。

天青石
天青石 celestite 
成分:硫酸ス トロンチウム   SrSO4

 古い塩湖の蒸発岩中に団塊状,透明な結晶をなして産出する。また,低温の熱水鉱床中に産出する。名の通り青い色のものもあるが,無色のものも多い。
・マダガスカル産

ストロンチアナイト strontianite 
成分:炭酸ス トロンチウム   SrCO3

淡緑色や淡褐色の針状集合体。これはイギリスのストロンチアンの鉛鉱山で産出したもので,ストロンチウム発見のきっかけとなった。
左下の白い部分はバリウムの硫酸塩である重晶石(BaSO4)。ストロンチウムとバリウムはともにアルカリ土類金属元素で,化学的性質が似ているので,このように一緒に産出する傾向がある。