【ケイ素(けいそ)】(14族 元素記号:Si)     [周期表へもどる]
 
<自然界での産出>
  ケイ素はシリコンとも呼ばれ,単体は灰色の金属光沢があるが,金属ではない。地殻では酸素に次いで存在量が多い。長石類や雲母類などケイ酸塩鉱物と呼ばれるケイ素を含んだ鉱物は たくさんあるが,資源として重要なのは石英だけである
 石英は身の回りでは花こう岩や流紋岩にガラス光沢のある灰色粒状で多く含まれ,岩石の空洞に美しく結晶し たもの は水晶と呼ばれている。
<用 途>
 単体のケイ素は石英(二酸 化ケイ素:SiO2)を炭素と一緒に高温で処理して得られ,半 導体分野で重要な材料である。その際,炭素の量を多くすると炭化ケイ 素(カーボランダム:SiC)ができ,これは灰黒色で極めて硬度が高く,研磨剤として用いられる。
 また,石英そのものはケイ石と呼ばれ,ガラスの原料と される。石英を炭酸ナトリウムなどと加熱溶融して冷やして固めるとガラスになる。
 また,人工的に育成した人工水晶は時計などに使われている 発振器に用いられる。


石英  quartz 
成分:二酸化ケイ素  SiO2
 白色塊状。花こう岩に伴われるペグマタイトという岩石から産出したもの。
・福島県石川産

石英(水晶)
quartz (rock crystal)
        
成分:二酸化ケイ素  SiO2

 石英が岩石のすき間で美しく結晶したものを水晶という。白色,無色のほか,黒色(黒水晶)や紫色(紫水晶)などがある。普通は6角柱状で先が錐状に尖っ て いる(左)。また,日本式双晶と呼ばれる平たい形の水晶が約85°の角度で接合して成長した特殊な水晶もある(右)。
・大分県尾平鉱山産(左),山梨県乙女鉱山産(右)

オパール opal 
成分:水を含んだ二酸化ケイ素
 コロイド状の珪酸分を含んだ低温の熱水から生成する場合が多い。写真のものは砂粒を取り巻いて温泉からオパールが成長したもので、魚卵状ケイ石と呼ばれ るオパールであ る。乾燥剤として重要なシリカゲルとほぼ同じ物質である。
・富山県新湯産