<自然界での産出> ヒ素は自然界では単体(自然ヒ)として産することもあるが,多くは硫ヒ鉄鉱として 産し,これが資源として重要。 他に,ヒ鉄鉱(FeAs2),鶏冠石,石黄などとして産する。 |
<用途> ガリウムとの化合物(ガリウムひ素:GaAs)は半導体として重要。 なお,江戸時代以前の寛永通宝などの銅貨幣にも数%以下で含まれている。 |
自然ヒ native arsenic 成分:単体のヒ素 As 熱水作用で生成する。金平糖状,ぶどう状などをなし,重い。これは表面は酸化しているが,内部は銀灰色で金属光沢がある。 ・福井県赤谷鉱山産 |
硫ヒ鉄鉱 arsenopyrite 成分:鉄の硫ヒ化物 FeAsS 銀灰色で鈍い金属光沢があり,重い。ヒ素の鉱石として最も重要。 ・岡山県高梁市備中町山宝鉱山産 |
鶏冠石 realgar 成分:ヒ素の硫化物 As4S4 鮮やかな朱色だが,長く日光にさらすと分解して黄色粉末状になる。地表近くの低温の熱水作用で生成する。 鉱物としては珍しく分子結晶で,As4S4分子がファンデルワールス力で結びついている。 ・群馬県西牧鉱山 |
石黄 orpiment 成分:ヒ素の硫化物 As2S3 黄色塊状・粒状で,鶏冠石と共に地表近くの低温の熱水作用で生成する。 ・北海道定山渓産 |