【ジルコニウム】(4族 元素記号:Zr)    [周期表へもどる]
 
<自然界での産出>
 代表的な鉱物はジルコンで,普通の火成岩や変成岩中に微粒で含まれている。
 資源としてはジルコンのほか,バデレー石(ZrO2)も重要で, これらを含む岩石が分解してできた砂が水流によって動くと,こ れらは高密度なので,他の高密度の鉱物(ゼノタイム,コルンブ石,錫石,チタン鉄鉱など)とともに特定の砂の層に集まる。このような部分を重砂とい い,これが採掘の対象となる。重砂からは精錬過程でジルコニウムのほか,希土類元素,チタン,ニオブ,タンタルなどのレアメタルが回収されてい る。
 また,カーボナタイトという炭酸塩のマグマが冷えて固まってできた特殊な岩石中からも多く産出することがある。
<用途>
 原子炉の炉心の構造材に用いられる。
 酸化物はセラミック・耐火材・模造宝石として重要。

ジルコン花こう岩中のジルコン
ジルコン zircon  
成分:ジルコニウムのケイ酸塩 ZrSiO4
 肉眼的な大きな結晶として産出することもある(左)が,たいていは深成岩中に微細な粒として含まれている(右)。
左:ブラジル産
右:岡山県岡山市万成産(花こう岩中のもので,少量のウラン,トリウムを含み放射能があり,周囲の淡褐色の鉱物(黒雲母)が濃い褐色に変色している)