【モリブデン】(6族 元素記号:Mo)   [周期表へもどる]
 
<自然界での産出>
 モリブデンを含む鉱物としてはモリブデン鉛鉱,鉄水鉛赭,パウエル石などがあるが,これらは産出が少なく,資源としては硫化モリブデンの輝水鉛鉱が重 要。輝水鉛鉱には0.数%以下のレ ニウムも含まれ,その鉱石ともなる。
 モリブデン鉱床は花こう岩地域に存在するが,錫・タングステン鉱床を胚胎する花こう岩とは異なった化学的性質を有する花こう岩の分布域に存在する。花こ う岩が広く分布する中国地方について言えば,山陰に分布している磁鉄鉱を多く含む花こう岩にはモリブデン鉱床が,山陽に分布しているチタン鉄鉱を含む 花こう岩には錫鉱床やタングステン鉱床が多く分布している。
<用途>
 クロムなどと鉄などに混ぜて強度の高いステンレスを作る(モリブデン鋼)。
 また,輝水鉛鉱(硫化モリブデン)はそのまま微粉末にして滑剤として用いられる。


輝水鉛鉱  molybdenite 
成分:硫化モリブデン MoS2
鉛灰色で金属光沢の強い片状結晶。非常に軟らかく,手で曲げることができる。
・岐阜県平瀬鉱山産
モリブデン鉛鉱
モリブデン鉛鉱  wulfenite
成分:鉛のモリブデン酸塩 PbMoO4
 黄〜橙色で金剛光沢の強い4角板状〜直方体の結晶。低温の熱水から生成することが多い。産量が少ないため,モリブデン鉱石とはならない。
・メキシコ ロス ラメントス産