【チタン】(4族 元素記号:Ti)    [周期表へもどる]
 
<自然界での産出>
 チタンは普通の岩石には少量ながら含まれチタン鉄鉱やルチルなどとして含まれる。
 資源として重要なのは,大陸地域にある大規模な,はんれい岩中に大きな層状をなす チ タン鉄鉱や少量のチタンを含む磁鉄鉱で,バナジウムなどと一緒に採掘される。また,普通の岩石 が風化して,その中に含まれていたチタン鉄鉱 やルチルが砂状になり,海浜や河川にたくさん集まっているものも採掘されることがある。
 主な供給源は外国だが,山陽地方〜四国北部の花こう岩には微粒のチタン鉄 鉱が少量ながら広く含まれており,風化土壌中に黒色の砂状で濃集している(チタン砂鉄という)。この砂鉄は磁石につかず,磨り潰すと通常の砂鉄(磁鉄鉱) よ りもわずか に褐色を帯びる。
<用途>
 チタンは耐食性があり軽くて丈夫な金属で,さまざまな合金とされ,航空機やロケットの部品などに用いられている。
 酸化物は白色顔料や触媒として重 要。

チタン鉄鉱 

チタン鉄鉱
チタン鉄鉱     ilmenite
     
成分:鉄とチタンの酸化物 FeTiO3

上は結晶片岩中の石英に伴って黒色板状をなすもの。
・徳島県眉山産

下は海浜や河川から採取された黒色砂状のチタン鉄鉱(チタン砂鉄)で,しばしばチタン資源として採取される。。
金紅石
ルチル(金紅石)   rutile
   成分:チタンの酸 化物TiO2
結晶片岩中の石英に伴って光沢のある褐黒色柱状をなすもの。
・徳島県眉山産