<自
然界での産出> 銅鉱床,ニッケル鉱床,銀鉱床などからそれらの金属とともに産し,資源としてはこれが最も重要(黄鉄鉱,ペントランド鉱中の少量成分のほか,コバルトを主成分とするサフロ鉱や輝コバルト鉱などとして含まれている)。 地殻では著しく偏在している元素で,現在の主要な産出国はコンゴ・カナダ・ザンビア・ロシア・モロッコである。 なお,深海底に堆積しているマンガンノジュールにも少量成分(0.数%)として含まれ,今後の資源として注目されている。 |
<用途> 磁性合金,超硬合金などの成分として用いられる。 酸化物は磁器の青色顔料としても用いられる。 |
サフロ鉱 saffloite 成分:コバルトのひ化物 CoAs2 銀白色の金属光沢のある塊や粒で熱水鉱床から産する。 ・ドイツ シュレマ産 |
輝コバルト鉱 cobaltite 成分:コバルトの硫ひ化物 CoAsS わずかに桃色を帯びた白色の金属光沢のある粒状集合体をなす。 ・山口県長登鉱山産(銅を主とするスカルン鉱床から産したもの) |
コバルト華 erythrite 成分:コバルトの砒酸塩 Co3(AsO4)2・ 8H2O 輝コバルト鉱などが地表付近で分解してできる濃桃色の鉱物。皮膜状のほか,板柱状の結晶をなして産する。産出が少なく,資源的には重要でない。 ・メキシコ産 |