<自然界での産出> ケイ素・酸素などと結びついたケイ酸塩鉱物として産出することが多く,地殻の岩石を構成する各種の鉱物(特に長石類)に多く含まれ,そのため,地殻の構成元素としては酸素・ケイ素に次いで多い(8.2%)。 資源としては通常の岩石中のものではなく,水酸化アルミニウムが主成分の“ボーキサイト”が重要。産出はオーストラリア・ブラジル・中国が多い。 |
<用途> 貨幣(1円玉),アルミ箔などに多く使われている。 また,航空機,サッシなどに使われているジュラルミンなどの軽金属の合金類の主要な原料である。 アルミニウムは地殻に豊富にあるが,イオン化傾向が大きいため製錬困難で,本格的な利用は20世紀になってからである。 |
コランダム corundum 成分:酸化アルミニウム Al2O3 天然の鉱物ではダイヤモンドに次いで硬く,高温でできた変成岩などに産出する。少量のクロムを含み赤色を呈するものはルビー,少量の鉄・チタンなどを含 み青色を呈するものはサファイアと呼ばれ,宝石とされる。 原子配列が非常に密で,アルミニウムと酸素だけからできているにもかかわらず密度が4.0g/cm3に達し,単体のアルミニウム(密度2.7g/cm3)よりも密度が高い。 最近では盛んに合成されている。 ・上:インド産(ルビー),下:富山県高沼産(サファイア) |
アルカリ長石alkali-feldspar 成分:カリウム・ナトリウム・アルミニウムを主とするケイ酸塩 (K,Na)AlSi3O8 斜長石 plagioclase ・岡山県岡山市万成産(花こう岩中のもの)
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“ボーキサイト” “bauxite” 成分:水酸化アルミニウム。 ギブス石Al(OH)3,べーム石AlO(OH)な どの混合物。 唯一のアルミニウム資源。岩石が強く風化するとアルミニウム以外の 元素は溶脱し,アルミニウムに富んだ風化土壌が生成する。これをボーキサイトという。雨量の多い亜熱帯〜熱 帯地方の気候で生成しやすい。 ボーキサイトが赤っぽ い色をしているの は水酸化鉄を混じえているためである。 ・マレーシア産 |