【ガリウム】(13族 元素記号:Ga)     [周期表へもどる]
 
<自 然界での産出>
  ガリウムは1つ上の周期のアルミニウムと化学的性質が似ているため,自然界でもアルミニウム鉱石である“ボーキサイト”に微量に含まれて産出する傾向があり,これが資源的に重要。
 そのほか,亜鉛鉱石(閃亜鉛鉱)中に微量含まれ,その副産物として回収される場合もある。

 なお,ガリウムを主成分とする鉱物は極めて少なく,その代表的なものがガライトである。
<用途>
 ひ素との化合物(ガリウムひ素:GaAs)は半導体として多く用いられる。


“ボーキサイト” “bauxite”
 
成分:水酸化アルミニウム
※ギブス石Al(OH)3,べーム石AlO(OH)などの混合物。


 岩石が強く風化するとアルミニウム以外の元素は溶脱し,アルミニウムに富んだ風化土壌が生成する。これをボーキサイトという。雨量の多い亜熱帯〜熱帯地方の気候で生成しやすい。ボーキサイトが赤っぽい色をしているのは水酸化鉄を混じえているためである。 アルミニウム資源として重要だが,微量のガリウムも含み,その資源としても重要。
・マレーシア産
閃亜鉛鉱

閃亜鉛鉱      sphalerite
 
成分:硫化亜鉛 ZnS
 キラキラ光る褐〜黒色塊状。亜鉛鉱石だが,微量のガリウム,カ ドミウムゲルマニウムインジウムなどを含むこともあり,それらも精錬の際,亜鉛と一緒に取り出され,それらの重要な鉱石である。
・北海道豊羽鉱山産
ガライト
 ガライト gallite 
成分:ガリウムと銅の硫化物 
CuGaS2
 ほとんど唯一のガリウムを主成分とする鉱物。主に閃亜鉛鉱中にゲルマニウムを主成分とする鉱物(ゲルマナイト,レニエル鉱)などと一緒に産出するが,非常に希である。
・コンゴ産(偏光反射顕微鏡写真:写真の左右0.48mm)