<自然界での
産出> 放射性元素で,ウラン・トリウム鉱石中に放射壊変生成物として含まれている。半減期が短いので存在量は極めて少なく,放射能が非常に強い。 これは19世紀末,ポーランド出身のキュリーが,ウラン鉱石である閃ウラン鉱の放射能が含まれるウランの量から推定されるよりもはるかに強いことを見出し,その中にウランより強い放射能がある未知の元素が含まれていると考えてポロニウムとともに発見した。命名は放射(ラディウス)にちなむ。 ウラン鉱石である閃ウラン鉱(黒色部分) 成分:酸化ウラン(UO2) 含まれるウランからの放射壊変により生成したポロニウムやラジウムを微量に含む(ポロニウムやラジウムは半減期が短いので含有率は極めて低い)。 -------------------------------------------------- また,国の特別天然記念物である秋田県の「北投石」は重晶石(硫酸バリウム: BaSO4)だが,それに弱い放射能があるのはラジウムが,同じくアルカリ土類金属元素であるバリウムのかわりに,ごく微量に含まれているからである。 「北投石」(重晶石) 成分:硫酸バリウム(BaSO4) 重晶石のうちでバリウムのかわりに鉛やごくわずかのラジウムを含むもので,温泉沈殿物として,白・淡褐〜褐色の層状や菱形の小結晶体で産出する。名前は最初の発見地の台湾の北投温泉にちなむ。 ・秋田県玉川温泉産 |