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ホルンフェルス 石灰岩以外の岩石が接触変成作用を受けて変化してできたものである。その岩石が火成岩の場合,あまり接触変成作用の影響は見られない(火成岩はもともと高温のマグマからできたものなので,接触変成作用を受けてもあまり変化しない)。 泥岩から変わってできたホルンフェルスは特に泥質ホルンフェルスと呼ばれ,ホルンフェルスの中ではよく目に付く。黒っぽい色を呈し,もとの泥岩に似ているが硬く,接触変成作用で生じた細かい黒雲母を多く含み,わずかに褐色を帯びていることが多い。時には微細な石墨や,目につく大きさの白っぽい柱状の紅柱石,無色〜灰青色・灰緑色のきん青石なども見られる。 岡山県内では全域によく見られる(花こう岩の分布域に沿った幅2〜3km程度の範囲に分布)。 |
花こう岩のマグマによる接触変成作用で,泥岩が泥質ホルンフェルスになった境界部分 |
泥質ホルンフェルス 暗褐色緻密なもので泥質ホルンフェルスでは最も普通のもの。褐色を帯びるのは接触変成作用で細かい黒雲母が多くできているからである。 ホルンフェルスには,接触変成作用を与えたマグマから派生した高温の流体が割れ目に入りこんでできた白っぽい石英脈や長石脈が見られることが少なくない(右側の拡大写真)。 → [ホルンフェルス中の黒雲母] |
泥岩と砂岩の互い違いの地層が接触変成作用を受けて泥質ホルンフェルスと砂質ホルンフェルスになったもの 泥岩と砂岩の互層が接触変成作用を受けるとこのように泥質ホルンフェルスと砂質ホルンフェルスの縞模様になる。泥質ホルンフェルスの部分は細かい黒雲母が多くできており,黒っぽい。砂質ホルンフェルスの部分は石英が主なので白っぽい。 |
泥質ホルンフェルス 微細な黒雲母や石墨を含む黒色緻密な基質の中に,白っぽい柱状の紅柱石を含むもの。紅柱石は本来,硬い鉱物だが,しばしば変質して白色不透明の微細な白雲母に変質し軟化していることがある。 → [ホルンフェルス中の紅柱石] |
泥質ホルンフェルス 微細な黒雲母を含む暗灰色緻密な基質の中に,斑点状のきん青石を含むもの。きん青石は石英と同じようにガラス光沢があり硬い鉱物だが,写真のように緑泥石や白雲母に変質して軟化し白っぽく不透明になっていることが多い。その場合,不明瞭ながら6花弁状の模様が見られることがある。 → [ホルンフェルス中のきん青石] |
他には,砂岩から変わってできた砂質ホルンフェルス(淡灰色や淡褐色でざらざらしている),チャー
トから変わってできたケイ質ホルンフェルス(純白やクリーム色で硬く,「ケイ岩」と呼ばれることもある)などがある。 岡山県内では,砂質ホルンフェルスは全域にしばしば見られ,ケイ質ホルンフェルスは中〜北部にしばしば見られる。 |
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砂質ホルンフェルス 泥質ホルンフェルスよりも色が淡く,さらに堅い。石英に富み少量の黒雲母や長石類などを含む。泥質ホルンフェルスに伴って産することがあるが,それよりもやや少ない。 写真のものは幅1mm程度の白っぽい筋が見られ,これは接触変成作用の際に割れ目に高温のガスが入り込み,それから石英が結晶化してできた石英脈。 |
ケイ質ホルンフェルス 元のチャートの緻密な石英が,接触変成作用による再結晶化で1〜2mm程度に粗くなって,きらきらとガラス光沢が見られる。石英以外の鉱物は少量しか含まない。 |