泥質ホルンフェルス中の紅柱石 多くはこの写真のように,やや白雲母に変質し,縦断面は白っぽい柱状(中央)・横断面では粒(左上など)に見える。紅柱石は500℃前後の接触変成作用でできるが,温度低下の際の熱水などの影響でこのように緻密な白っぽい白雲母に変質していることが多い。これは針先で簡単に傷つくほど軟らかい。 なお,あまり変質していないものは石英並みの硬度があり,赤みを帯びていることもある。 周囲の灰黒色部の基質は微細な石英・長石類・石墨・黒雲母などからなる。 |
泥質ホルンフェルス中の紅柱石 これはあまり白雲母に変質していないもので,石英並みの硬度があるもの。はっきりした4角柱状の自形をなす。しかし,結晶の表層部だけは,若干,白雲母に変質して軟化している 周囲の灰黒色部の基質は微細な石英・長石類・石墨・黒雲母などからなる。 |
泥質ホルンフェルス中の紅柱石 紅柱石はアルミニウムに富む泥岩が接触変成作用を受けるとできやすい。 写真のホルンフェルスでは,上半分の泥質ホルンフェルス中には4角柱状の紅柱石ができているが,下半分の砂質ホルンフェルス中ではアルミニウムがやや乏しいため紅柱石はできていない。これは同じ500℃程度の接触変成作用でも,元の岩石の成分により,できる変成鉱物が異なる例である。 写真の左右10cm。 |
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紅柱石と同じ成分(アルミニウムのケイ酸塩(Al2O(SiO4))の鉱物にはケイ線石・藍晶石があり,これら3つの鉱物は,主に変成岩中に見られ,互いに結晶構造(原子配列)が異なる。同じ成分であるにもかかわらず,異なった結晶構造になるのは,下図のようにできるときの温度や圧力が異なるからである。 接触変成岩であるホルンフェルスは広域変成岩よりも低圧条件でできるので,紅柱石を含む場合が多い。しかし,700℃程度のかなり高温でできたホルンフェルスにはケイ線石が含まれる場合がある(右写真)。 紅柱石・ケイ線石・藍晶石が生成する圧力・温度の範囲 |
700℃程度のかなり高温でできたホルンフェルス中のケイ線石(偏光顕微鏡写真/針状の部分) |