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拡 大 |
拡 大 やや蛇紋岩化したもの |
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かんらん岩(造山帯のかんらん岩)/くすんだ緑色で緻密均質。おおむね,かんらん石からできているが,変成作用を受け,もとの等粒状組織は失われている。暗緑色や暗褐色の輝石類や,黒い粒状のクロムスピネルがまばらに見られることがある。やや蛇紋岩化すると黒っぽくなり,硬度が下がり,金物で傷がつきやすくなる(上写真の右のもの)。 |
かんらん岩(ゼノリスとしてのかんらん岩)/地下深部での急激な玄武岩マグマの活動により,上部マントルのかんらん岩が破片として地表に放出されたもの。上部マントルに存在していたときの等粒状組織がおおむね残っている。 これはアメリカやヨーロッパ,ロシアなど,世界のあちこちで玄武岩などに包有されたゼノリスとして見つかることが多く,いずれもこれとほぼ同じ見かけである。 |
かんらん岩に含まれる主な造岩鉱物 | ||||
かんらん石 | 輝石類(頑火輝石,透輝石) | クロムスピネル |
かんらん岩の風化面/かんらん岩は風化するとかんらん石中の2価の鉄が溶け出して,それが水酸化鉄(3価の鉄の水酸化物)になるため,黄褐色や赤褐色になる。その風化面にはほとんど風化しないクロムスピネルの黒斑がまばらに見られる。 写真のものは,風化面は黄褐色だが,割り出した内部は新鮮でくすんだ緑色。 |
パイロープ(苦ばんざくろ石)を含むかんらん岩/南アフリカのダイヤモンド鉱床のキンバレー岩中の岩片として産した,ざくろ石かんらん岩。紫紅色の丸っこいパイロープを含む。このパイロープ成分は約70%で,5〜10wt%のCr2O3を含むため,かなり紫色が強い(パイロープ − ノリンジャイト系ざくろ石)。これはダイヤモンドの生成場である地下約200kmに分布している岩石で,人類が手にすることができる岩石では最も地下深部のものである。 左や前述の普通のかんらん岩は黒い粒状のクロムスピネルを含み,上部マントルのやや上部を構成している。しかし,それよりやや深い,上部マントル領域内のやや深部は,非常に高圧なのでクロム・アルミニウムはクロムスピネルではなく,このようなパイロープとして結晶化し,ざくろ石かんらん岩の構成領域となる。したがって,このような,ざくろ石かんらん岩には,クロムスピネルはほとんど含まれない。 画像のOpxは斜方輝石,Olはかんらん石。鮮緑色の単斜輝石(クロム透輝石)を含むことがあるが,この画像には現れていない。なお,このかんらん石は地表への上昇過程でやや蛇紋石化し,部分的に灰黒色になっている。 |
パイロープ(苦ばんざくろ石,矢印先)を含むかんらん岩/ざくろ石かんらん岩はキンバレー岩中の岩片として産するほか,造山帯の結晶片岩やエクロジャイトに伴って産することもある。この造山帯のざくろ石かんらん岩はチェコ,ドイツ,スイス,ノルウェーなどに知られ,地表に上昇する過程でパイロープの周囲はかんらん石と反応して緑泥石などになっている場合もある。 なお,チェコではざくろ石かんらん岩の風化帯のパイロープの砂礫が宝石資源として採掘され,ボヘミアンガーネットと称されイヤリングなどの宝飾品に加工されている。 日本ではざくろ石かんらん岩は非常にまれで,愛媛県東赤石山にわずかに知られ,そのパイロープはパイロープ成分が60〜70%に達し,20%程度のアルマンディン成分と15%程度のグロッシュラー成分を含む。写真のものは愛媛県東赤石山産で,紅色粒状のパイロープの周囲の苦土かんらん石の部分はやや蛇紋岩化しているため暗緑色になっている。 |
岡山県内のかんらん岩について
かんらん岩は県内では北西部の新見市に分布し(造山帯のかんらん岩),地下深部で水分の影響を受けて変質し,蛇紋岩に変化しているものが多い。したがって,かんらん岩と蛇紋岩は一緒に産することが多い。そして蛇紋岩が花こう岩のマグマによる接触変成作用を受けて脱水し,かんらん岩に戻っているものもある。
また,新生代第三紀にマントルで発生した玄武岩(アルカリ玄武岩)のマグマが,マントルのかんらん岩の砕き,その岩片を取り込んで,地表へ持ち上げてきたものもある(ゼノリスとしてのかんらん岩。新見市哲多町の荒戸山など)。
玄武岩中のかんらん岩の小塊(ゼノリスとしてのかんらん岩)/新見市哲多町荒戸山産。黒 いアルカリ玄武岩中に径1〜5cm程度の黄緑色の上部マントルのかんらん岩の岩片が含まれている。 |