美術館への転用が決まり、耐震構造の調査を依頼された坪井善勝は、丹下のこの建物について次のように述べています。「構造的に完璧。まったく問題はなかった。何よりあの建物は、形式が単純明快。RC(鉄筋コンクリ−ト造り)の模範構造とでもいえるもので、学生の演習テキストにしたいくらいだ。構造的に複雑な要素がないから耐震診断も楽だった。あのように後味の良い建築はめったにあるものではない。」こうして旧市庁舎は「現代の校倉造り」と呼ばれた外観をほとんど損なうことなく、美術館として再出発しました。
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1960年の市庁舎(現 倉敷市立美術館)3F市長室 (c)MURASAWA Fumio
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