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閃緑岩（せんりょくがん）　diorite

閃緑岩は，安山岩と同じく，ケイ酸 分（SiO2）を中程度（60％程度）含むマグマからできる。安山岩はそれが地表付近で急に冷えて固まるなどしてで きるのに対し，閃緑岩はそれが地下深部でゆっくり冷えて固まってでき，安山岩よりきめが粗い（平均して１ｍｍより粗い）。
閃緑岩は無色鉱物として白い斜長石， 有色鉱物として黒〜黒緑色の輝石類（頑火輝石・普通輝石），普通角閃石どがモザイク状に集合している（等粒状組織）。なお，有色鉱物としてある程度の黒雲母を含むものもある。
花こう岩に似る場合もあるが（下左写真），有色鉱物の量が多いため全体的に黒っぽい。また石英やアルカリ長石は少ないか，ほとんど含まれない。

※有色鉱物を見ると，同じ中性岩である安山岩によく含まれる輝石類は比較的少なく，安山岩に少ない普通角閃石がよく含まれる。

※石材名で，はんれい岩とともに「黒御影」と呼ばれ，堅いので，比較的小さい石造物に用いられている。

閃緑岩


閃緑岩／黒い部分は有色鉱物である普通角せん石と少量の黒雲母，白い部分は無色鉱物である斜長石。これは有色鉱物がやや少なめの，花こう岩に近い閃緑岩。
 閃緑岩



閃緑岩／黒い部分は有色鉱物である普通角閃石と輝石類，白い部分は無色鉱物である斜長石。これは有色鉱物がやや多めの，はんれい岩に近い閃緑岩である。

閃緑岩に含まれる主な造岩鉱物
斜長石 輝石類（頑火輝石，普通輝石） 普通角せん石 黒雲母

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岡山県内の閃緑岩について
閃緑岩は県内ではやや分布が狭い。その多くは約１億〜数1000万年前にできたもので，上の写真のいずれかの外観に近い物が多い。磁鉄鉱の微粒子を多く含み，糸につるした磁石が吸い寄せられるものがある。花こう岩との中間的なものもある。