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実体顕微鏡   戻る

         装置の構造

接眼レンズが2つあり,双眼で検体(試料)を実体視できる。10倍の接眼レンズ・2倍と4倍の対物レンズが付属しているものが一般的で,対物レンズの倍率切替により倍率は20〜40倍に変更できる(対物レンズが6倍で60倍などで観察できるものもあるが,倍率が高いと視野が暗い)。

片方の接眼レンズはピント調整キザによりピント調整ができ,それによりもう片方の接眼レンズとのピントを一致させておく。

鏡筒は,ピント調整ハンドル・鏡筒の高さの調整ねじにより上下でき,検体(試料)観察時のピント調整をする。

・実体顕微鏡のレンズは屈折率を高めるために鉛などを混ぜた特殊な軟らかいガラスを使っており,万一,汚れた場合は取扱い説明書記載の方法でクリーニングすること。また,レンズはカビが生えやすく,湿気・ホコリは大敵である。

・鉱物や岩石の塊状試料は数cm大とやや大きいので,鏡筒(対物レンズ部)の上への可動範囲が大きいものがよい。

・光源としては白熱灯やハロゲン電球は熱くなり,顕微鏡を傷めることがあるので,光源は白色光の卓上型の蛍光灯やLED,または北向きの窓からの自然光を使う。

前準備−接眼レンズの調整
1.40倍程度の高倍率(普通は対物レン
ズを4倍にする)にして,印刷物をステージに静置する。

2.ピント調整ハンドルで,ピント調整できない接眼レンズを覗きながら,鏡筒を上下させ,ちょうど印刷物の紙の繊維などがはっきり見えるところで止める。
3.ピント調整できる方の接眼レンズを覗き,2で見た時と同様に印刷物の紙の繊維などがはっきり見えるように,ピント調整ギザを回転させる(2つの接眼レンズのピントを一致させる作業)。 4.接眼レンズの目幅調整をする。両眼で覗いたときに視野がほぼ円に見えるようにする。


観 察
1.試料は洗って充分乾いたものとする。 2.鏡筒を上げた状態にする。 3.試料を対物レンズの下に持ってきて,手で上下させ,ピントの合うところで止め,手で支えながら観察する。あるいは試料をステージに静置し,鏡筒を上下させてピントを合わせて観察する。
観察時は試料が対物レンズに接触するとレンズが傷つくので十分注意する。


観 察 例

金属の鉱石に伴う鉱物


川砂中に見いだされた鉄ばんざくろ石(アルマンディン)

ダイヤモンド中の黒色包有物
(中心付近)