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古生代(5億7500万〜2億5000万年前)
 古生代以降は三葉虫などの生物種が爆発的に増えました。まず,海中でバージェス動物群という硬組織をもつ無脊椎動物群が出現し,次いで貝類や腕足類,最初の 脊椎動物の魚類( 甲皮類)が出現しました。また,サンゴは古生代初期から出現しました。
 そして,大気にオゾン層が形成され,紫外線が地表にあまり届かなくなると,シルル紀に維管束植物や 昆虫類が陸上に出現し,デボン紀以降,大森 林ができあがりました。そして,両生類が出現し,脊椎動物が陸上へ本格的に進出し始めました。
 古生代の終わりは酸素の急減で,生物の大量絶滅が起こりました。
オパビニア
バージェス動物群の一種 (オパビニア Opabinia) 5億7000万年前
地質時代:カンブリア紀 カナダ(レプリカ)/写真幅10cm
オバピニアは長く伸びたはさみと5個の目をもつバージェス動物群の所属 不明の動物である。

三葉虫/古生代の全期間にわた る3億年以上の長い間,世界の広い海域に生息していた節足動物のグループで,1万以上の種類が知られている。体は頭部,胸部,尾板に分かれ,背側が多くの 節からなるよろいのような殻でおおわれ,成長とと もに脱皮を繰り返した。腹側からは多数の脚が出て いたが,化石としてはほとんど残っていない。大きさは1cmに満たないような小さなものから,70cmに達するような大きなものまである。主に海底で生息 していたが,浅い海に生息するものや深い海に生息するものなどがあり,泥の中に 含まれている微生物を食べていた。また,魚などの外敵に襲 われると体を丸めて防御の姿勢をとった。
三葉虫
ホエカスピス(Hoekaspis sp.) 5億年前
地質時代:オルドビス紀
ボリビア
/写真幅10cm
三葉虫
メタクリファス(Metacryphaeus caffer
5億年前 地質時代:オルドビス紀 
ボリビア
/写真幅6cm 
三葉虫
ファコプスPhacops orurensis
4億年前 地質時代:デボン紀ボリビア
/写真幅3cm

サンゴ/古生代のサンゴの仲間には,オルドビス紀〜デボン紀に栄えたハチノスサンゴや日石サンゴの仲 間・オルドビス紀〜シルル紀に栄えたクサリサンゴの仲間などの床板サンゴ類,オルドビス紀〜ペルム紀に栄えた四射サンゴ類などが代表的である。これらはい ずれも絶滅しており,現生のサンゴとは異なる。
クサリサンゴとハチノスサンゴ
床板サンゴ類/左:クサリサンゴ(Halysites sp.),右:ハチノスサンゴ(Favosites sp.)
いずれも4億2000万年前 地質時代:シルル紀
いずれも上から見たところ。左のクサリサンゴは小さなクサリがつながったように見える。右のハチノスサンゴは細かいハチの巣のように見える。いずれも横か ら 見ると細かい水平な仕切り(床板)が見え,床板サンゴ類である。
いずれも高知県横倉山

腕足類/二枚貝のような殻を持ち,海底に生息していた動物。古生代の初めに出現し,中生代,新生 代にかけて衰退し,生息数,種類数ともに減少している。現在の腕足類としてはミドリシャミセンガイやホウズキガイなどわずかの種類のみが知られている。
腕足類
ネオスピリファー(Neospirifer condor
2億8000万年前 地質時代:ペルム紀
ボリビア/写真幅8cm
腕足類
レチキュラリナReticulariina cf. R. atava
2億8000万年前 地質時代:ペルム紀
ボリビア/写真幅4cm 

甲皮類/オルドビス紀に最初の脊椎 動物として出現した魚類。あごが無く,口から水とともに入った微生物をえらでろ過して食べていた。体が体板でおおわれ,泳ぎは下手で主に水底にすん で いた。
  デボン紀には魚類から両生類が進化し,その後,動物が陸上へ本格的に進出し始めた。
フウインボク/維管束をもつ巨大なシダ植物で,樹皮に葉柄痕が見られる。デボン紀〜石炭紀以降は陸上に フウインボク,リンボクをはじめとする大小さまざまなシダ植物が繁栄し,大森林ができ上がっていった。シダ植物は種子ではなく胞子で増える。
 なお,種子で増える種子植物に関しては,裸子植物はデボン紀後期に,花を咲かせる被子植物は後の中生代以降に出現した。

甲皮類
甲皮類
4億年前 地質時代:デボン紀
モロッコ/写真幅10cm
体をおおう体板の化石で,表面にイボがある。
封印木
シギラリア(Sigillaria sp.)
3億年前 地質時代:石炭紀
アメリカ/
写真幅30cm
フウインボクの幹の化石。模様は樹皮の葉柄痕。