平成28年11月議会における所信表明
議員の皆様、本日は、御多忙の中お集まりいただき、厚くお礼を申し上げます。
 
提案理由説明に先立ちまして、市政を取り巻く状況につきまして御説明申し上げます。
 
まず、去る10月27日、三笠宮崇仁親王殿下が薨去されました。殿下には、長きにわたり、国の平和と国民の福祉のために貢献してこられ、また、国際親善やスポーツ、文化、芸術などを通じ、国民と親しく接してこられました。ここに、謹んで心から哀悼の意を表します。
 
次に、10月21日に鳥取県中部で最大震度6弱を観測する地震が発生し、倉敷市においても震度4を観測しました。この地震では、負傷者23名、住宅の全半壊144棟、一部破損13、219棟をはじめ、農作物、道路、河川等に多くの被害が出ています。被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げますとともに、倉敷市では、被災住宅の建物調査を支援するため、応急危険度判定士延べ16名を倉吉市、琴浦町、三朝町、北栄町に、また、罹災証明書発行事務を支援するため職員2名を倉吉市に派遣しました。また、11月22日に福島県沖を震源とした最大震度5弱の地震により津波警報が発せられ、その後も余震が続いています。倉敷市では、現在、東日本へは岩手県釜石市及び大槌町に職員を派遣しておりますが、今後におきましても、必要に応じて支援を行ってまいりたいと考えています。
 
次に、8月2日に閣議決定された「未来への投資を実現する経済対策」に基づき、一億総活躍社会の実現に向けた子育て・介護の環境整備のほか、21世紀型のインフラ整備、中小・小規模事業者支援、震災からの復旧・復興と防災強化のための経費などを盛り込んだ国の第2次補正予算が10月11日に成立しました。倉敷市におきましても、これに対応した経費をこの度の補正予算に計上していますが、今後においても、需要を喚起し地域経済の更なる好循環につなげるため、事業着手可能なものから取組を検討してまいりたいと考えています。
 
また、10月23日の岡山県知事選挙で、教育再生や産業振興などを公約に掲げた伊原木知事が再選されました。現在、「新晴れの国おかやま生き活きプラン(仮称)」の策定が進められていますが、今後におきましても、県と連携し、地域の課題解決に向けて取り組んでまいりたいと考えています。
 
次に、地方創生についてでございますが、11月1日に開催された第10回まち・ひと・しごと創生会議に出席し、本年度の国の総合戦略改訂の協議を行い、このなかで、国は、郷土への愛着と誇りの醸成に取り組むことを新たな方針に追加することとしました。倉敷市では、平成27年9月に策定した「倉敷みらい創生戦略」で、郷土への愛着と誇りの醸成を策定にあたっての基本的な視点のひとつに掲げ、また、平成28年2月に策定した倉敷市教育大綱においても、「“From Kurashiki”が誇りとなるひとづくり」として、「倉敷のひとであること」「倉敷らしさ」を誇りに思い、「倉敷のよさ」を世界へ発信できるひとになってほしいことを、倉敷市の教育目標及び施策の指針として位置付けており、このような倉敷市の考え方は、国の総合戦略にも取り入れられることとなっています。また、観光客だけでなく各国のリーダーの方々にも地方都市の良さを知っていただくため、東京だけでなく地方都市でも積極的に国際会議を開催していただくことを提案しました。倉敷市では、G7倉敷教育大臣会合の開催が、この地域の素晴らしさを世界各国に発信する契機となったように、地方都市での国際会議の開催は、地方創生推進への大きな弾みにつながるものと考えています。
 
次に、「倉敷市」発足50周年記念事業につきまして申し上げます。倉敷市では、この記念すべき節目を祝し、先人達への敬意と感謝の気持ちを表すとともに、郷土への愛着と誇りを高め、次の100周年に向けて、明るい未来への思いを込めた記念事業を実施してまいりたいと考えています。こうした観点から、「子どもたちや若者が地域と関わる」「健康長寿社会を目指す」「世代間の交流を活発にする」「文化・産業・観光・自然・スポーツなどを通じて地域の魅力を高める」「国際的な視野を広げる」「郷土へ貢献する」といった6分野をテーマとして、市民の皆様からの提案事業や庁内各部局からの発案事業、さらに、部局の枠を超えた職員からなる庁内検討会においても記念事業の検討を進めています。今後、私を含め、市議会の代表、市民団体の代表など15名で構成する「倉敷市」50周年記念事業推進検討委員会での意見等を踏まえ、平成29年度当初予算案として議会にお諮りすることとしています。