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侵食    〔戻る〕

流水(河川や海)・波・風の作用で,地形が削 られたりして,変化していく作用です(岩石の風化作用が進んで地形が変化する現象)。
侵食は断層節理に 沿って水がしみ込んで進むことも多いです。

河岸段丘

                侵食の例
河川によって地形が削られている。 隆起が起こりつつこのような侵食作用が進むと河岸段丘ができる。

残丘

侵食の例
周囲より硬い玄武岩の分布域が侵食に耐えて取り残され,小高い山になった様子(残丘)。


侵食の例
軟らかい泥岩層と固い砂岩層が互い違いに重なっている地層(互層)が侵食されると,軟らかい泥岩層は早く侵食されて凹むので固い砂岩層がとび出したようになる。


侵食の例
河川の岩盤の割れ目に小さな固い石ころが入り込むと,それが水流で回転し,岩盤を削るようになる。そうしてできた円形の凹みを,おう穴という。おう穴は数10cm程度のものから,数mに達するものまであり,流れが速い河川底の岩盤によく見られる。


侵食の例
風が強い海岸付近で,海水の飛沫が岩石に付着してしみ込み水分が蒸発し,岩石中で海水の塩類が析出すると,その塩類の結晶化により岩石を構成している鉱物粒子同士が引き離されて剥落する。その作用が進むと岩石に巣穴があいたような状態になる。これをタフォニという。
タフォニは水で分解しやすい物質を含む軟質の岩石では海岸以外でもできる。



石灰岩の侵食地形
石灰岩は炭酸カルシウムが主成分なので,徐々に雨水や地下水で溶けていき,カルスト地形と呼ばれる独特な侵食地形(溶食地形)になる。鍾乳洞,ドリーネ, カレンフェル トなどは代表的なカルスト地形である。


カレン
雨水により石灰岩が溝状に溶けた状態のもの。石灰岩の侵食の初期段階。これが進んで溝が深くなっていくと,溝の拡大により大きな石灰岩塊(石灰岩の露頭)がいくつかに分割され,右写真のカレンフェルトになっていく。
カレンフェルト

カレンフェルト
雨水による溶食作用に耐えて残った石灰岩塊が地表に点在しているように見えるカルスト地形の一種。
ドリーネ

ドリーネ
雨水による溶食作用でできた窪地。地下の鍾乳洞に水が流れ込む穴(ポノー ル)が中央に存在することが多い。。


鍾乳洞
石灰岩が地下水の作用で溶けていくと,その地下が空洞(鍾乳洞)になる。鍾乳洞の内部には地下水のしずくから石灰岩の成分である炭酸カルシウムが再沈殿してできた鍾乳石が見られる。
(※石灰岩も鍾乳石も方解石からなる。)