美しい赤色のものはルビー(0.数〜1%程度のCrを含む),美しい青色のものはサファイア(0.数〜1%程度のFe・Tiを含む)と呼ばれ,宝石とされる。
なお,高温で形成された後,温度低下の際に下式のようにアルカリ長石の成分と反応し,結晶の周囲は緻密な白雲母に変質していることがある。
Al2O3(コランダム) + KAlSi3O8(アルカリ長石) + H2O(水蒸気) → KAl2(AlSi3O10)(OH)2(白雲母)
片麻岩中のコランダム(ルビー) 左は6角柱状結晶の横断面で6角形の輪郭を示すもの。右は6角柱状結晶の側面が現れたもの(両端がやや細く,やや紡錘形に見える)。 白い部分は長石類とケイ線石。黒い部分は黒雲母。 |
片麻岩中のコランダム(サファイア) 紡錘形の結晶の縦断面で長楕円形に見えるもの。生成後の温度低下による下式の反応で,結晶の周辺部は灰白色緻密な白雲母に変質している。 Al2O3(コランダム) + KAlSi3O8(アルカリ長石の成分) + H2O(水蒸気) → KAl2(AlSi3O10)(OH)2(白雲母) |