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※岩石名の前の四角の色は,岡山県の岩石分布図(下図)の色に対応しています。



             岡山県の岩石分布図(地質図)

高梁川/普通  旭川/普通  吉井川/少ない

河原の玄武岩の石ころ

河原の玄武岩の石ころ

 安山岩よりもさらに色が暗く,全体に緻密。
 河原に見られるものは約3億年前のものが多く,それは海洋底の海嶺やホットスポットからマグマが噴出して固まってでき,1年に数cmの海洋プレートの動きにより,現在の岡山県の場所まで移動してきたもの。高梁市川上町上大竹,井原市芳井町日南などでは古生代の石灰岩を伴って分布している。変質して暗緑色や暗赤色になっていることが多い。海底火山でできたものなので,マグマが海水で急冷されることで細かく砕けてそれが固まった緻密なものが多い。弱く変成して黄緑色(うぐいす色)の緑れん石を伴うものや,白い沸石類などの脈(筋)が見られるものもある。
 一方,数100万年前のものは吉備高原地域に直径数100m〜1km程度の狭い分布を示す。通常の玄武岩に比べアルカリ金属元素(カリウム(K)やナトリウム(Na))に富み,アルカリ玄武岩とよばれる。黒色で割れ口がきらきら光り,非常に堅く,たたくとわずかに金属音がすることがある。泥岩に似ていることもあるが,アルカリ玄武岩は少量の磁鉄鉱を含み,紐につるした磁石がわずかに吸い寄せられることが多い。もともと分布が狭いので,河原の石としては少ない。

河原の玄武岩の石ころの拡大
ルーペで拡大すると(約3億年前の玄武岩)
緻密でルーペで見ても特徴がはっきりしないものが多い。ときには丸い気孔があり,その中に白い方解石や沸石類が見られるものもある。
※石英・アルカリ長石はほとんど見られない。
河原の玄武岩の石ころの拡大
ルーペで拡大すると(数100万年前の玄武岩)
黒っぽい暗色の石基の中に,小さく細長くキラキラ光る無色の斜長石,黒〜緑黒色の輝石類,黄緑〜暗緑褐色のかんらん石の斑晶が散在している(斑状組織)。なお,斑晶がほとんど見られないものも多い。
※石英・アルカリ長石は見られない。

玄武岩一般の説明 → 玄武岩