倉敷市立自然史博物館友の会の行事



第676回自然観察会「春の“吉備の中山”散策」
 2023年4月23日(日)報告

◆日時:2023年4月23日(日)12時30分〜15時
◆観察場所:岡山市北区尾上 吉備の中山
◆講師:自然史博物館学芸員・岡本泰典・吉備の中山を守る会・友の会幹事
◆参加者:79名


桃太郎伝説ゆかりの地“吉備の中山”は、はるか平安時代から、枕詞と歌枕をセットにして「真金吹く吉備の中山」と詠まれたほど有名な山です。
清々しい青空が広がる中、木漏れ日のさす森の中を散策しました。

各学芸員から今日の見どころの説明。吉備の中山の1950年〜60年代の航空写真を見ると、現在はうっそうとした森に変わりつつあるようです。 「こんな樹液場を見つけよう!」 ひと夏でカブト・クワガタを1000匹捕る方法を伝授。
 
こちらは植生調査という調査方法を伝授。折れ尺を使って、1m×1mの方形枠の中の植物を見つけます。草原と森の中で調査しました。 吉備の中山の主な岩石は砂質ホルンフェルスです。(約2億年前に海溝で堆積した砂岩が、約8000万年前に、その下にあった閃緑岩や花こう岩のマグマの熱でホルンフェルスになる)。
 
伝授された樹液場を見つけて、コクワガタをゲット! 何の巣かな? 色々な鳥の羽やコケなどを集めて作っています。
  
折り返し地点の石舟古墳(7世紀初めの横穴式石室古墳)。中には水をたたえた石棺があり、旧暦三月三日近くの4月第1日曜日に花祭り(温羅の祭り)をするそうです。 まとめは中山茶臼山古墳(伝:吉備津彦命の墓)の前の草原でしました。背後に白く霞んで見える市街地は、かつては吉備の穴海と呼ばれた海でした。

お天気に恵まれ、各々が五感を使って季節を楽しみながら散策できました。
集合場所の駐車場にあった本日の一品のセコイアの木。日本ではまれに植栽され、世界最大の木で110mくらいになるとか。現在は20mくらいなので、参加してくれた子どもたちよ、50年後100年後?まで見守って下さいね。
午前はスライド会、午後は散策コースを案内してくださった吉備の中山を守る会の方々にお礼申し上げます。
(写真/文:島岡 浩恵)

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