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噴火 〔戻る〕
地下約100〜数100kmで岩石が部分的に
融
けてマグマが発生すると,マグマは岩石より密度が小さいので,上昇し,その一部は溶岩流や火山弾(マグマのしぶ
きが空中で冷えて固まって落下したもの)として地表へ噴き出します。また,マグマには数%程度の水分などの揮発成分が含まれ,マグマの固結に伴って分離し
たその揮発成分が,激しい勢いで火口付近の岩石を吹き飛ばして噴出することもあ
ります(火山砕屑物(火山灰や火山れき)の放出)。これらの現象を噴火といいます。 地球の表面は10数枚のプレートで構成され,その境(環太平洋造山帯など)では地震と共に噴火活動も活発です → そこに位置す る日本列島も地震や噴火活動が活発です。 (※噴火はプレート境界以外に,大陸内部での噴火や海洋底での噴火(ホットスポット)などもあります)。 噴火によってマグマや火山砕屑物が火口付近に盛り上がってできた山は火山といいます。日本の代表的な火山には,鹿児島県の桜島・開聞岳・霧島,長崎県の雲 仙 普賢岳,鳥取県の大山,石川県の白山,静岡−山梨県の富士山,群馬県−長野県の浅間山,秋田県の鳥海山,北海道の羊蹄山・有珠山などがあります。火山は噴 火活動が停止して数 10万〜数100万年以上経つと侵食で元の形はかなり失われてしまいます(火山岩が分布している山でも侵食で元の火山の形がまったく残っていない山は火山 とはいい ません)。 プレート境界でのマグマの発生機構
プレート同士が衝突しあう所(環太平洋造山帯など)ではマグマが発生しやすく,火山が多い。この左の図では水分を含む海洋プレートが地下深
部で変成することで,その水分が分離し,そばの岩石に作用してマグマが発生する様子を表している(※岩石は地下深部の高圧条件では水分が加わると溶融しや
すくなるため,そこでマグマが発生する)。 |
噴煙を上げる昭和新山(鐘状火山)(北海道) 昭和18年,二酸化ケイ素が多い粘り気に富むマグマが上昇して冷えて固まってできた火山で,盛り上がった急斜面をなす。 |
@桜島の噴火(成層火山)(鹿児島県) A〜D噴火によるさまざまな噴出物:A砂状の火山灰と、石ころ状の火山れき。ピナツボ山(フィ リピン)から噴出したもの。Bラグビーボールのような火山弾。三原山(東京都)から噴出したもの。C軽石。中に気泡が多く、軽い(鹿児島県桜島)。D水に 浮く軽石(鹿児島県桜島)。 |
洞爺湖(カルデラ)(北海道) カルデラは火山噴出物が吹き出した後,地面が陥没したものをいう。洞爺湖は約10万年前の大規模な火山活動でできたカルデラに水がたまり,湖になったもの。湖の中央の島は火山である。 |