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双晶(主にクロスニコルで観察)   [戻る]

結晶内のある平面(格子面)を境に,原子配列の向きが鏡像関係などで規則的に変わっていることがあり,これを双晶といい,主にクロスニコル下で観察されます。
平行ニコルで1つに見える結晶でも,クロスニコルでは双晶した鉱物は結晶内で消光した部分と消光してない部分とが直線的な境界で共存しています。双晶の特に著しい鉱物は斜長石です(下写真)。斜長石の双晶にはアルバイト式双晶といわれる形式のものが多いです。ほかに双晶がしばしば観察される鉱物にはアルカリ長石,普通角閃石,普通輝石などがあります。

※多色性が著しい普通角閃石やエジリンなどは,平行ニコルでも多色性による色の濃淡で双晶がわかる(色の異なる部分が直線的な境界で共存している)。

※スピネルやダイヤモンドなどの等軸晶系の鉱物は光学的等方体なので,偏光顕微鏡では光学的に双晶を見いだすことができない。また,石英のブラジル式双晶やドフィネー式双晶はC軸を共有した双晶であり,双晶をなすそれぞれの領域の光学的方位は互いに同じなのでこれも偏光顕微鏡では双晶は認められない。

花こう岩中の斜長石のアルバイト式双晶

明暗の直線の条線として見られ,明部(対角位)と暗部(消光位)は互いに双晶関係にあり,ステージを回転させると,明部と暗部が逆転する。
はんれい岩中の斜長石のアルバイト式双晶とペリクリン双晶

アルバイト式双晶
は右上から左下方向の直線の条線。ペリクリン双晶はアルバイト式双晶を横切る中央付近の左上から右下方向の短めの直線の条線。