自然史博物館のページへ] [友の会のページへ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

伸長の正負(クロスニコル・鋭敏色検板で観察)   [戻る]

鏡下で1方向にのびているように見える鉱物の内で,消光角が約20°以下の鉱物については伸長の正負を決めると同定に役立ちます(ただし,パンペリー石のように結晶の伸び方向が,光学的弾性軸:Yと一致している場合は同じ鉱物でも伸長が正・負のいずれにもなる。また,消光角が約20°以上のものについては伸長の正負は決められない)。
伸長の正負を決めるには,クロスニコルで干渉色が低い灰〜淡黄色の部分(割れ目や縁辺部の薄い部分)を見ながら鏡筒に鋭敏色検板を入れステージを回転させると,その部分が回転位置により黄色に見えたり,青色に見えたりします。
そこで青色に見えた位置(相加の位置)で,ステージを止めます。鋭敏色検板に刻まれているZ´の方向と鉱物の伸び方向がほぼ一致した時は伸長が正です。X´の方向に一致した場合には伸長は負です。


鋭敏色検板(下)


伸長が正の鉱物/ケイ線石,雲母類,普通角閃石,藍閃石など

伸長が負の鉱物/ブルース石,リーベック閃石,アルベゾン閃石など



伸長が正の場合(例:ケイ線石)





伸長が負の場合(例:緑泥石の一種)