平成27年6月議会における所信表明
◆市長提案理由説明要旨(抜粋) 平成27年6月15日
 
議員の皆さま、本日は、御多忙の中お集まりいただき、厚くお礼を申し上げます。
 
提案理由説明に先立ちまして、市政を取り巻く状況につきまして御説明申し上げます。
 
まず、昨日、今年度で5回目となる倉敷国際トライアスロン大会を開催しました。今回も、昨年に続き早期の震災復興を願い、「釜石はまゆりトライアスロン国際大会」との選手交流による招待選手2人を含め、北は岩手県から南は鹿児島県まで、全国各地から約700人の選手に参加いただき、また、地元をはじめ3,000人を超えるボランティアの方々に御協力をいただきましたことにお礼を申し上げます。
 
次に、倉敷市の地方創生への取組について申し上げます。
 
地方創生は、人口減少を克服し、将来にわたり活力ある日本社会を維持することを目的とするものであり、国・地方が総力を挙げて取り組むべき課題です。倉敷市においても、平成27年度をまち・ひと・しごと創生元年と位置付け、子育て支援や東京一極集中是正などにつながる施策を盛り込んだ「倉敷市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を9月末を目途に策定したいと考えております。
 
まず、倉敷市の人口の現状ですが、平成22年国勢調査の475,513人から、平成27年5月末現在で483,646人と、増加している状況にあります。しかし、今年3月に行った今後の人口推計では、平成31年をピークに減少へ転じ、平成52年には472,170人と、現在より2.4パーセント減少する見込みとなっています。
 
倉敷市まち・ひと・しごと創生総合戦略推進本部では、第2回目の会議を5月26日に開催し、今後予想される人口減少に対応するための人口ビジョン及び総合戦略の骨子案を策定しました。骨子案では基本目標として、まず1点目に、地域資源を生かした産業の競争力強化など「働く場を創る倉敷」、2点目に、東京圏からの移住促進など「ひとを呼びこむ倉敷」、3点目に、安心して子どもを生み育てることができる環境整備など「結婚・出産・子育ての希望をかなえる倉敷」、4点目に、健康寿命の延伸や高梁川流域連携中枢都市圏構想の推進など「安心なくらしを守り、地域をつなぐ倉敷」を掲げています。今後、産(産業界)学(教育機関)金(金融機関)労(労働団体)言(メディア)の有識者を加えた会議の開催や、市議会議員の皆さま、市民の皆さまからの御意見をいただき、人口の将来目標を設定し、世代を超えて、倉敷で暮らしてみたい、暮らし続けたいと言われるまちを目指す総合戦略としてまいりたいと考えております。
 
次に、地方創生の大きな柱の一つである、地域と地域の連携についてでございます。2月議会で御議決いただきました、倉敷市と高梁川流域6市3町(新見市・高梁市・総社市・早島町・矢掛町・井原市・浅口市・里庄町・笠岡市)との「連携協約」につきましては、その後、全ての市町の議会でも御議決いただきました。これを受け、3月27日に倉敷市と6市3町との間で「連携協約」を締結し、4月から圏域全体の発展や住民サービス向上につながる取組を進めております。まずは、5月に開催した「ハートランド倉敷」において、16日及び17日に、高梁川流域の物産展や各市町の観光PR等を連携事業として実施しました。また、この度の補正予算においても「高梁川流域圏成長戦略ビジョン」に基づく高梁川流域ICT利活用推進事業費、高梁川流域町家・古民家再生活用事業費、高梁川流域マップ事業費等を計上するなど、今後とも活力ある経済・文化・生活圏として発展していくための圏域全体の総合力向上につながる取組を積極的に進めてまいりたいと考えております。
 
また、総合戦略策定を見据えた先行的取組として、企業誘致と既存事業者の機能強化を推進するための本社機能移転等促進奨励金制度の新設、及び設備投資促進奨励金制度の拡充を行うこととしました。特に東京23区からの移転の場合には、奨励金をより手厚く設定し、国の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の基本的な視点の一つとなっている、東京一極集中の是正に取り組むこととしております。そして、この度、船穂町柳井原地区に、大阪に本社があるヤンマー株式会社の生物系の知識・情報を集積し、研究・開発・実証を行う研究施設を誘致しました。平成28年8月に「バイオイノベーションセンター倉敷ラボ」としてオープンすることが予定されており、食料の生産効率や機能性の向上、資源循環型の生産技術の確立のほか、地元大学との産学連携や、地元生産者との実証実験なども見込まれ、地域の活性化に加えて、わが国の農業分野の発展に大きくつながるものと期待しております。
 
さらに、市民の方々の暮らしを応援し、元気なまちをつくるため、6月1日から19日の期間でプレミアム付商品券の申込み受付を行っており、昨日時点で、約38,000人の申込みをいただいております。まだ申し込まれていない皆さまも、ぜひ御検討いただければと思います。また、観光客誘致の拡大による新たな消費喚起に向け、国内団体客の誘致促進に加え、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据え、外国人観光客の新規市場を開拓するための助成金交付を9月より実施することとしております。
 
最後に、昨年改正された地方教育行政法(地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律)に基づき、5月27日、私と教育委員会とで構成する第1回「倉敷市総合教育会議」を開催しました。会議では、倉敷市教育振興基本計画を踏まえつつ、新たな課題等にも対応できる教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱を、今年度新たに策定することとしました。今後、この会議での議論を通じて教育施策の方向性をより深く共有し、特に、地方創生の根幹とも言える、郷土に愛着・誇りを持ち、地域を支えたいと思う心の育成に、しっかりと連携して取り組んでまいりたいと考えております。