令和4年6月議会における所信表明
議員の皆様、本日は、御多忙の中お集まりいただき、厚くお礼を申し上げます。

はじめに、提案理由説明に先立ちまして、市政を取り巻く状況につきまして御説明申し上げます。

まず、ウクライナ支援に関しましては、本市では、支援の相談窓口を開設し、避難先住居や渡航に関する支援について相談を受けるとともに、市民の方からも、避難先住居の提供などの申出を頂いております。また、市民の皆様からお寄せ頂いている義援金につきましては、5月末に500万円を日本赤十字社へ送金し、引き続き9月30日まで募集を継続することとしております。今後、本市に避難してこられる方には、義援金も活用しながら支援を行ってまいります。

次に、新型コロナウイルス感染症への対応状況について御説明いたします。

本市では、感染力の強いオミクロン株に由来する感染が拡大した1月以降、感染者数やクラスター発生の状況に応じて、公共施設の利用制限を行ってまいりましたが、県の「オミクロン株リバウンド防止特別対策期間」が終了した4月からは、施設の利用制限を緩和するとともに、ゴールデンウィークを控え、市民の皆様に対して帰省や旅行の機会も多くなることから、基本的な感染対策の徹底のほか、ワクチン接種の検討をお願いしてきました。ゴールデンウィーク以降、感染者数は高止まりの状況でしたが、現在はやや減少傾向にあるものの、未だ終息は見えない状況となっています。

ワクチン接種につきましては、現時点で得られている4回目接種の有効性などに関する知見、諸外国における対応状況等を踏まえ、重症化予防を目的として、5月25日から、4回目接種を始めています。対象は、60歳以上の方、18歳以上60歳未満で基礎疾患のある方、その他新型コロナウイルス感染症にかかった場合の重症化リスクが高いと医師が認める方です。なお、県内の統一方針として、重症化リスクがある方が接種機会を逃すことがないよう、また、今後の対象者の拡大に備えて、3回目の接種から5か月を経過した18歳以上の全ての方に接種券をお送りすることとしておりますので、現時点では対象でない方も、接種券は大切に保管していただきますようお願いいたします。予約方法は、インターネットによる岡山県ワクチン接種予約受付システム、市の新型コロナウイルスワクチン接種専用コールセンターでの予約、医療機関での予約のほか、保健所2階に予約支援の窓口を設置しています。

市では、若い世代を含む3回目接種を進めるため、4月15日から28日までの間、予約なしで接種が可能な会場をイオンモール倉敷内に設け、3,106人の方が接種を受けられましたが、このうち50歳代以下が約92%となるなど、接種機会の確保に一定の効果がありました。このため、明日6月7日から12日まで、及び6月17日から22日までの合計12日間、イオンモール倉敷において、休日及び夜間での予約無し接種を再度、実施いたします。このほか、何らかの事情で2回目までの接種ができていない方への接種も医療機関等で引き続き行っていますので、ワクチン未接種の方は、改めまして早急な接種の検討をお願いいたします。

今後も感染拡大防止のために、ワクチン接種済みの方も含めて、これまで同様に、手指消毒、こまめな換気など、徹底した感染対策をお願いいたします。

次に、長引くコロナ禍で、公共交通事業者である路線バス、鉄道及びタクシー事業者は、乗客数減少など、様々な影響を受けております。市民の日常生活を支える移動手段であることから、令和2年度以降3回目となる奨励金を支給し、事業継続のための支援を行ってまいります。さらに、新たに路線バス及び水島臨海鉄道の無料デーを休日に4回実施するなどにより、公共交通の利用促進を図ってまいりたいと考えております。

また、国が策定したコロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策を受け、本市における対応として、小中学生の給食費に係る保護者の負担軽減を図るため、食材費高騰の影響により本年度から1食約30円の負担増となっている給食費について、増額分の1年分相当を支援してまいります。また、食品に広く利用されている小麦の価格高騰対策として、代替品となり食料の自給率アップにもつながる県内産米粉の利用を促進するため、米粉を使った新商品の開発支援等を行ってまいります。さらに、業務用車両として電気自動車を購入する事業者に対する1台20万円の助成や、原油価格高騰の影響を大きく受ける、多量にガソリン・軽油・灯油・重油を使用している、今年1月から5月までのうち連続する2か月の価格上昇部分の合計額が20万円以上となった事業者を対象に、価格上昇部分に対して補助率2分の1、40万円を上限に助成を行ってまいります。

次に、平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興状況について御説明いたします。平成30年7月豪雨から間もなく4年となります。本市では、発災から4年となる7月6日に、マービーふれあいセンターにおいて、災害によりお亡くなりになられました方々を追悼するとともに、今後の復興への誓いを新たにするため、「平成30年7月豪雨災害 倉敷市追悼式」を執り行います。なお、追悼式終了後に、献花台及び記帳台を、当日はマービーふれあいセンターに、翌7日は真備支所1階に設置することといたします。

現在、真備地区では、昨年度までに全ての公共施設が再開し、仮設住宅に入居されていた方々の98パーセント以上が住まいの再建をされるなど、復興は着実に進んできておりますが、引き続き見守りや心のケア等の支援として、倉敷市真備支え合いセンターが中心となって、仮設住宅にお住まいの方をはじめ約80世帯に定期的な個別訪問を行うなど、それぞれの状況に合わせた支援を行っております。

治水対策については、令和5年度末までの完成に向けて、目に見える形で安全度の向上が図られております。具体的には、国の小田川合流点付替え事業は、63パーセントまで工事が進捗し、国と市で連携して進めてきた小田川堤防強化工事については、一部の樋門の区間を除いて令和4年3月末に完成しました。高梁川の堤防強化については、川辺橋の上下流では、令和3年度末までに護岸強化整備を行い、引き続き令和5年度末までに、堤防道路の嵩(かさ)上げ及び居住地側の浸透対策を実施予定です。県の3河川については、引き続き堤防嵩(かさ)上げ・強化等の工事を行っており、末政川では、陸閘(りっこう)解消を図るための有井橋架替工事も進められています。

復興防災公園(仮称)については、5月28日に開催したワークショップにおいて、今後の公園整備に対する市の考え方をお示ししたところであり、関係機関との協議や詳細な設計を進めて、令和5年度末までの整備完了に向けて取り組んでまいります。

今後も、被災された皆様に一日も早く安心して落ち着いた生活を取り戻していただけるよう引き続き全力で復興に向けた取組を進めてまいります。
 
次に、防災・減災対策についてですが、これから出水期を迎えるにあたり、大雨等への備えとして、堤防や河川、用水路、ため池、排水機場などの事前点検や倉敷市総合防災情報システムを活用した被害状況の収集や情報共有の訓練を行っているところです。また、防災意識向上のため、誰もが参加できる防災普及・啓発イベント「くらしき防災フェア」を、高梁川流域自治体と連携して11月5日に倉敷みらい公園を中心に行うことを検討しております。

また、防災・災害対応機能強化の早期実現に向けて、防災危機管理センター棟の新設と本庁舎の長寿命化・浸水対策を行う、庁舎等再編整備事業については、令和3年4月に策定した基本構想を踏まえて、現在、基本計画を策定しているところですが、早期の事業完了とコスト縮減効果等を考慮して、DB(デザインビルド)方式により、本庁舎駐車場棟西側に、3階建て、延べ床面積6,500平方メートル程度の防災危機管理センター棟を整備するとともに、本庁舎の電気・空調設備の更新などを検討しております。今後、令和5年度に設計に着手し、令和7年度中に防災危機管理センター棟の完成、令和8年度中に本庁舎の改修完了を目指してまいります。

次に、山陽ハイツ跡地に整備する防災備蓄倉庫及び学校給食共同調理場については、現在、本年9月議会に契約議案を上程する予定で事業者の選定を行っているところであり、令和6年度中の完成を目指してまいります。また、都市防災公園及び会議室、文化練習室等の複合施設については、DB(デザインビルド)方式による令和5年度から令和7年度までの整備に向け、本年7月から事業者の募集を行う予定としています。

最後に、公共施設個別計画でお示しした施設老朽化等に伴う児島地区5施設(市立短期大学、児島文化センターのホール機能、児島児童館、児島憩の家及び倉敷ファッションセンター)の複合化整備につきましては、各施設担当部署等からなるプロジェクトチームを設置しており、児島地区市街地のまちづくりの検討を進め、複合施設整備に向けた基本構想・基本計画の策定を行ってまいります。