片麻岩中のケイ線石 これは数mmに達する灰白色短柱状の斑状変晶として見られるケイ線石(写真中央やや上部)。それ以外の部分は,片麻岩としてはやや細粒で,細かい石英,長石類,黒雲母,ケイ線石からなる。 |
片麻岩中のケイ線石 これは褐黒色の黒雲母に密接に伴う細かい針状の集合体。片麻岩中ではケイ線石はこのような状態で黒雲母に密接に伴うことが少なくない。 |
ケイ線石と同じ成分(アルミニウムのケイ酸塩:Al2O(SiO4))の鉱物には紅柱石・藍晶石があり,これら3つの鉱物は,主に変成岩中に見られ,互いに結晶構造(原子配列)が異なる。同じ成分であるにもかかわらず,異なった結晶構造になるのは,下図のようにできるときの温度や圧力が異なるからである。 接触変成岩であるホルンフェルスは広域変成岩よりも低圧条件でできるので,紅柱石を含む場合が多い。広域変成岩は接触変成岩よりもやや圧力がかかった状態(数1000気圧以上)でできるので,ケイ線石や藍晶石が含まれることが多い。なお,広域変成岩のうちで片麻岩はやや高温でできるので藍晶石よりもケイ線石を含むことが多い。 紅柱石・ケイ線石・藍晶石が生成する圧力・温度の範囲 |