玄武岩中の斜長石(しゃちょうせき) plagioclase  [戻る]

斜長石は多くの岩石に含まれ,地殻では最も多く存在する鉱物。玄武岩にも多く含まれ,目立つ1mm以上の白色や無色の斑晶として含まれる場合もあるが,1mm以下の微細なきらきら光る石基の構成鉱物として含まれるものが多い。
斑晶としての斜長石はカルシウムに富むもので,ころっとした形であまり伸長しておらず,やや透明感がある。特にカルシウムに富む灰長石と呼ばれるものもある。灰長石の斑晶は時に1cm以上のものがあり,へき開はあまり発達しておらず,はっきりした平面として割れることは少ない。

※海洋プレートの上部を構成している玄武岩中には目立つ鉱物の斑晶は少ない。

※石基には斜長石は顕微鏡的な大きさで輝石類やかんらん石などともに豊富に含まれている。

※アルカリ長石は玄武岩中には含まれない。



玄武岩中の斜長石の斑晶の例(青矢印)
/やや透明感のある無色〜白色半透明で粒状のもの。玄武岩中の斜長石はカルシウムに富むものが多く,灰長石と呼ばれるものもある。灰長石には1cmを超えるようなものがある(巨斑晶)。
赤矢印は輝石類の斑晶でへき開面が反射している。

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玄武岩中の斜長石(しゃちょうせき) plagioclase
色/白〜無色(時にわずかに黄みがかったものもある)。
透明度/半透明〜透明に近く,透明感に富む(ただし変質したものはほとんど不透明)。
光沢/やや鈍いガラス光沢。
硬さ/ナイフと同じくらい。
形態/1mm以下の細かい石基をなすものは短冊状の自形〜半自形。斑晶として含まれるものはカルシウムに富み,4角〜粒状。
へき開/1方向に完全,もう1方向に明瞭。なお,著しくカルシウムに富む灰長石はへき開はあまり発達しない。
成分/ナトリウム・カルシウムを主とするアルミノケイ酸塩:(Na,Ca)(Al,Si)4O8