斜長石(しゃちょうせき) plagioclase [戻る]

長石類にはアルカリ長石と斜長石があり,緑色片岩(やや変成度の進んだもの)や角閃石片岩には主に斜長石が含まれる。角閃石類などと密に混ざった微粒子で含まれるものは肉眼ではわかりにくい。
なお,しばしば2〜7mm程度の4角〜粒状の斑点(斑状変晶)として散在していることがあり,これは新しく割った面ではわかりにくいが,河原の石などの風化面では白い斑点状でよく目立つ。
これらの斑状変晶としての斜長石はNa>Caの曹長石である(特に緑色片岩中のものはわずかしかCaを含まない)。


緑色片岩(やや変成度の進んだもの)中の斜長石(曹長石)の白い斑点(斑状変晶)
わずかしかCaを含まない。

角閃石片岩中の斜長石(曹長石)の白い斑点(斑状変晶)
左の緑色片岩中のものよりもやや粒が粗い。

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緑色片岩・角閃石片岩中の斜長石(しゃちょうせき) plagioclase
色/無〜白色
透明度/半透明〜ほとんど不透明
光沢/やや鈍いガラス光沢
硬さ/ナイフと同じくらい
形態/4角形の自形,粒状など。
へき開/1方向に完全,1方向に明瞭。
成分/ナトリウム・カルシウムを主とするアルミノケイ酸塩:(Na,Ca)(Al,Si)4O8 (Na>Caのことが多い)