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スカルン [戻
る] マグマが石灰岩に接触し,マグマの成分(ケイ素,鉄,アルミニウムなど)が 石灰 岩の 成分(カルシウム)と反応してできた,カルシウムやケイ素などを主成 分とするスカルン鉱物と呼ばれる各種の鉱物の集合体である。スカルン鉱物は種類が多く,かつ,粗粒であることが多いため,スカルンの外観は一定しない。 岡山県内では西部にしばしば見られ,銅,鉄などの金属鉱床を伴う。 |
スカルンの例 |
例)スカルン鉱物であるケイ灰石ができるときの反応 CaCO3 + SiO2 → CaSiO3 + CO2 石灰岩(方解石) マグマからのケイ酸分 500〜600℃ ケイ灰石 二酸化炭素(岩石の割れ目から揮散) スカルンには銅,鉛,亜鉛といった有用金属が濃集し,それらの鉱石が採掘されることがあり,これをスカルン鉱床(接触交代鉱床)という。スカルン に有用金属が濃集するのは,マグマから派生した有用金属を溶かし込んだ酸性の熱水が石灰岩に接し,石灰岩が溶けることで,熱水のpHが上がり(中性に近く なる),その有用金属が硫化物(黄銅鉱:CuFeS2や閃亜鉛鉱:ZnSなど)として沈殿するためである。 代表的なスカルン鉱物には,以下のようなものがある。 |
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代
表的なスカルン鉱物
ケイ灰石/CaSiO3/白色針 状集合体で,ガラスと同じくらいの硬さがある。緻密で,割れにくい。 灰ばんざくろ石/Ca3Al2(SiO4)3/ 濃淡さまざまの褐色。粒状, 塊状,12面体結晶など。アルミニウムの代わりに鉄が入ると灰鉄ざくろ石になる。灰鉄ざくろ 石との中間的な成分のものが多い。石英と同じくらいの硬さがある。 灰鉄ざくろ石/Ca3Fe2(SiO4)3/ 濃淡さまざまの褐色〜緑色。粒 状粒状, 塊状,12面体結晶など。鉄の代わりにアルミニウムが入ると 灰ばんざくろ石になる。灰ばんざくろ石との中間的な成分のものが多い。石英と同じくらいの硬さがある。ベスブ石とよく似ている。 灰鉄輝石/CaFe(SiO3)2/ 緑黒色〜暗緑色。針状〜柱状集合体や,緻密塊状で,割れにくい。 ベスブ石/Ca10Mg2Al4(Si2O7)2(SiO4)5(OH)4 /褐色〜緑色粒状,塊状。または角のとれた直方体の結晶や灰緑色細柱状集合体。石英と同じくらいの 硬さがある。 (Ca:カルシウム,Si:ケイ素,Al:アルミニウム,Fe:鉄,Mg:マグ ネシウム,O:酸素,H:水素) |
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また,石灰岩ではなく,苦灰岩(ドロマイト)にマグマが接触すると,その接触部付近において,マグ
マの成分(ケイ素,鉄,アルミニウムなど)が苦灰石の主成分であるマグネシウムと反応して,マグネシウムやケイ素などを主成分とするスカルン鉱物(金雲
母,苦土かんらん石,透輝石など)ができる。この集合体を苦灰岩スカルン(ドロマイトスカルン)と
いう。岡山県内には見られない。 |
苦灰岩スカルン(ドロマイトスカルン)/褐色部は金雲母,暗灰色部
は苦土かんらん
石,透輝石。
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