河原の岩石の観察について [戻る
        
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 地下の岩石が地表に露出している場所(露頭)はヤブがひどかったりして,なかなか観察できませんが,手軽に観察するなら河原に転がっている岩石を対象とするとよいでしょう。

 しかし,河原も危険なことがあるので,例えば以下のようなことなどに注意しましょう。

●川は増水することもあります。十分注意してください。
●不安定な石を踏んで足をくじくことがあるので,河原では走らず,注意して歩きましょう。
●岩石をハンマーで割るときは,安全メガネを着用し,周囲に人がいないことを確認して割りましょう。
●人にあたってケガをさせることがあるので,石をみだりに投げないようにしましょう。
●おぼれるので,川の中へ入らないようにしましょう。

※以上の他にも,時と場合によって,さまざまな危険があるので注意しましょう。

河原の岩石の調べ方

 岩石の一般的なものは20種程度で,マグマが冷えて固まってできた火成岩,砂や泥などが堆積して固まってできた堆積岩,強い圧力や熱の影響などでできた変成岩にグループ分けされます。岡山県にはそのほとんどが分布し,それらがたくさん流れてきている高梁川・旭川・吉井川の中流の河原は岩石の学習に都合のよい所です。
 夏休みの自由研究などで河原で拾った岩石は数が多く,最初は一つ一つが違った種類に見えますが,おおざっぱに似た色や模様ごとに分けると意外と種類が少ないことに気づきます。そして,それぞれの仲間ごとの岩石の種類を図鑑などで調べます。

採取した河原の石の分類方法


 なお,河原の岩石は表面が水などの影響で,色が変わったり軟らかくなったりしていることもあり,時には,ハンマー(金づち)で割って,内部の特徴を観察することも必要です。



流紋岩


安山岩


かんらん岩
ハンマーで割った河原の石の例。内部と比べ,表面が水分などの影響で変色していることがわかる。


 こうして種類や特徴を調べた後で,それぞれの岩石がどのようにしてできたかを本などで調べてみましょう。しかし,河原の岩石はその上流の地域から流されてきており,もとの産地ははっきりしないので,詳しい研究には向きません。


●河原に転がる岩石の形や大きさについて
川の流れによる河原の岩石の形や大きさには,以下のような傾向があります。

流された石とあまり流されていない石 平たい形の河原の石
河原にある割れにくい石と割れやすい石 河原にある傷つきにくい石と傷つきやすい石

●岩石の縞模様について
河原の岩石の表面には縞模様が見られることがあります。でき方には主に以下の4通りがあります。

縞模様が見られるさまざまな河原の石


●石とまぎらわしいもの
河原には,コンクリート,レンガ,スラグ,アスファルトなどの産業廃棄物もあります。石とまぎらわしいので注意しましょう。

河原にあるコンクリートのかけら
コンクリート
河原にあるレンガのかけら
レンガ
河原にあるスラグのかけら
スラグ