�Aケイ酸分（SiO₂） の含有率による分類　　[戻 る]
（ケイ長質岩，中性岩，苦鉄質岩，超苦鉄質岩）

火成岩はケイ酸分（SiO₂）の含有率で，ケイ長質岩（酸性岩），中性岩，苦鉄質岩（塩基性岩），超苦鉄質岩（超塩基性岩）に分 け られている。
一般的にケイ酸 分が多いものは色が明るく，少ないものは色が暗い。

ケ イ酸分の含有率	70％前後 ケイ長質岩（酸性岩）	60％ 前後 中性岩	50％ 前後 苦鉄質岩（塩基性岩）	約 45％以下 超苦鉄質岩（超塩基性岩）
岩石全体の色調	明るい	中 くらい	や や暗い	暗 い
火成岩の種類	流紋岩（注１）・花こう岩	安 山岩・せん緑岩	玄 武岩・はんれい岩	コ マチアイト・かんらん岩・蛇紋岩

注１）流紋岩はケイ酸分の含有率が70％前後でケイ長質岩ではある が，硫化鉄などの微粒子を含んで黒っぽいものも多い。

肉眼での識別）
ケイ酸分の含有率を調べるには特殊な設備がいるので，普通は造岩鉱物を調べる。造岩鉱物のうちで火成岩を構成する主なものに，石英，アルカリ長石，斜長石，黒雲母，普通角せん石，輝石類（普通輝石・頑火輝石），かんらん石，蛇紋石がある。これらのうちで石英・アルカリ長石・斜長石は鉄・マグネシウムを含まず色が淡く無色鉱物という。黒雲母・普通角せん石・輝石類 （普通輝石・頑火輝石）・かんらん石・蛇紋石は鉄・マグネシウムを含み色が濃く有色鉱物という。
ケイ長質岩には無色鉱物が多く含まれ，有色鉱物は少量しか含まれない。中性岩，苦鉄質岩，超苦鉄質岩となるにつれ，無色鉱物が少なくなり，有色鉱物が 多く含まれるようになる。したがって，ケイ長質岩は岩石全体の色が明るく，中性岩，苦鉄質岩，超苦鉄質岩となるにつれ，色が暗くなっていく。

火成岩に含まれる造岩鉱物のおよその割合 ※石英・アルカリ長石・斜長石は無色鉱物。 ※黒雲母・普通角せん石・輝石類・かんらん石・蛇紋石は有色鉱物