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かたさ  〔戻る〕

一般に風化したものほど傷が付きやすく脆い。

それ以外では生成時に割れ目が多くできた岩石は脆い(蛇紋岩,松脂岩(流紋岩の一種))。
熱水変質を受けた岩石も一部 を除き,傷が付きやすく,脆い傾向がある。

風化した岩石
たまねぎ状風化
風化した岩石
左:雨水がしみ込んで褐色に風化した部分が脆くなっている。
右:塊状の岩石の表面が,昼に直射日光で温まって膨張し,夜に冷えて収 縮し,それが繰り返されることで,表面から球面状(同心球状)の割れ目ができ,簡単にはがれるように割れていくようになったもの(たまねぎ状風化)。

蛇紋岩
熱水変質を受けた岩石
蛇紋岩
全体に暗緑色緻密だが,風化していないものでも目に見えない無数の割れ目があり,ハンマーで軽く叩くとばらばらと不規則に割れやすい。その割れた面はすべ すべして滑らかなことが多い。
熱水変質した岩石
地下で200〜300℃の熱水が岩石にしみ込んで,岩石が熱水変質したもの。写真は硬い安山岩質火砕岩が熱水変質し,輝石類や火山ガラスなどが暗緑色軟質 の変質鉱物(硬度の低い緑泥石やスメクタイトなどの粘土鉱物)になったもの。このように元の岩石が硬いものであっても,熱水変質すると釘などで簡単に傷が 付く軟らかい岩石になることがある。


堆積岩では,堆積物(泥・砂・れきなど)が堆積してあまり時間が経っていない新生代のものは続成 作用が十分に進んでおらず,それらが充分固まっていない。この ようなものは,軟らかく脆く,ハンマーの尖った部分で簡単に傷が付いたりするものが多く,手で握っただけで崩れるものもある。
未固結の砂岩 未固結の泥岩
砂が堆積して数10万〜数 100万 年程度しか経っていない砂岩。まだ砂粒同士があまり固まっておらず,崩れやすい。
泥が堆積して数10万〜数 100万 年程度しか経っていない泥岩。まだ泥粒同士があまり固まっておらず,崩れやすい。