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粒度(きめの粗さ)  〔戻る〕

岩石は鉱物などの粒が集合したものであり,その粒の大きさ(粒度)が同定 の手がかりになる。

・火成岩では地下深部でゆっくり冷えてできたものほど粒度が粗い傾向 がある。
・堆積岩では堆積物の種類により粒度が異なる。
・変成岩では高温条件でできたものほど粒度が粗い傾向がある。


火成岩(マグマの冷える早さで粒度が決 まる)
火成岩の粒度

 写真はケイ酸分(SiO2)を70%前後含むマグマが冷えて固まっ てできた火成岩。左側2つは花こう岩(平均粒度が1mmより粗い深成岩),右側2つは流紋岩(平均粒度が1mmより細かい火山岩)。
 マグマが地下深部で数10万〜数1000万年かかってゆっくり冷えて固まった深成岩は粒度が粗く,地表付近で数時間〜数万年で急に冷えて固まった火山岩 は粒度が細かい(鉱物粒子は,ゆっくり冷える ほど粗くなり,急に冷えるほど細か くなる)。 → 同じマグマからできた岩石でも冷却速度により粒度が異なると別種となる。



堆積岩(堆積物の種類により粒度が異なる)
泥岩

泥岩(1/16mm以下の粒子(泥)が固まったもの)
粒度が細かく手触りが滑らか。
砂岩



砂岩(1/16〜2mm以下の粒子(砂)が固まったもの)
粒度が中くらいで手触りがざらざら。
れき岩

れき岩(2mm以上の粒子(れき)が固まったもの)
粒度が粗く,凸凹している。


変 成岩(高温条件でできたものほど粒度が粗い)
接触変成岩の場合

結晶質石灰岩の粒度

(例)マグマの熱によって石灰岩が変成してできた結晶質石灰 岩
マグマの近くのものは高温条件で石灰岩の再結晶化が進んで粗粒だが,マグマからやや離れた部分のものは低温条件で あまり再結晶化が進んでおらず細粒である。

広域変成岩の場合
黒色片岩
片麻岩
(例)地下深部で泥 岩が広域変成作用を受けた場合
泥岩が300〜400℃程度の低温広 域変成作用を受けると,きめが細かく,薄くはげるように割れる黒色片岩になる(左)。
泥岩が600〜800℃
の高温広 域変成作用を受けると,再結晶化が進み,きめが粗くなり,剥離性に乏しい花こう岩に似た片麻岩になる(右)

緑色片岩
角閃石片岩
(例)地下深部で玄 武岩が広域変成作用を受けた場合
玄武岩が300〜500℃程度の低温広 域変成作用を受けると,きめが細かく,薄くはげるように割れる緑色片岩になる(左)。
玄武岩が600〜700℃
の高温広 域変成作用を受けると,再結晶化が進み,きめが粗くなり,剥離性に乏しい角閃石片岩になる(右)