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紫外線での発光  〔戻る〕 

  鉱物には暗所で紫外線ランプ(ミネラライトなどと呼ばれる)を照射すると発光現象が見られるものがあり,その発光色が同定の手がかりになることがある。これには,短波と呼ばれる250nm程度の波長の紫外線と,長波と呼ばれる370nm程度の波 長の紫外線を用いることが多い(1×10nm=1cm)。

 同じ鉱物でも,短波と長波で発光したときの色が違っていたり,発光し たりしなかったりする(短波で発光する鉱物は比較的多いが,長波で発光する鉱物は比較的少ない)。また,同じ種類の鉱物でも微量成分の違いなどでも,発光 したりしなかったりすることもある(あるいは発光の色や度合いに強弱がある)。

※紫外線は特に眼に有害なので,必ず専用の紫外線防御のゴーグルを着用 し,かつ,紫外線ランプの紫外線を直視しないこと。



紫外線で発光する鉱物の例(左:通 常光,右:紫外線下)
灰重石の発光 燐灰ウラン石
ケイ亜鉛鉱
マラヤ石

ほぼ例外なく発光する鉱物の例
短 波
(250nm程度の波長の紫外線)
長 波
(370nm程度の波長の紫外線)
灰重石 青白色 (強い)
無発光
りん灰ウ ラン石 黄緑色 (強い)
黄緑色 (強 い)
ケイ亜鉛 鉱 黄緑色 (強い)
無発光
マラヤ石 黄緑色 (強い) 無発光
ベニト石 青色(強 い) 無発光
パウエル 石 橙黄色 (強い) 無発光
スローソ ン石 桃紅色 (中) 無発光
微量成分や格子欠陥を含む場合
に限り,発光する鉱物の例

短波
(250nm程度の波長の紫外線)
長 波
(370nm程度の波長の紫外線)
方解石 (微量のマンガンを含むもの)
紅色(強 い) 無発光
オパール (微量のウランを含むもの)
黄緑色 (強い)
黄緑色 (強 い)
コランダ ム(微量のクロムを含み赤色
のもの(ルビー))
無発光
赤(中)