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可塑性と弾性  〔戻る〕

可塑性
 鉱物は針先などで突くと細かく砕けることが多いが,単体金属の元素鉱 物,金属元素が比較的多く含まれる硫化鉱物,ある種の粘土鉱物などは,針で突くと針先がめり込んだり,圧迫で曲がったりする。これを可塑性という。可塑性 のある鉱物には以下のようなものがある。

自然金,自然銀,自然銅,自然白金,自然鉄,輝銀鉱,輝安銀鉱,輝銅鉱,緑泥石,滑石,バーミキュライト,カリ岩塩

可 塑性のある鉱物の例
ヤスリでこすって条線ができたもの(自然銅,輝銅鉱),圧迫で曲がったも の(滑石,緑泥石)。

鉱物の可塑性


弾性
 針先や指などで押すと曲がり,その後,反発して元の形に 戻る性質を弾性という。弾性が著しい鉱物としては雲母類がある(白雲母,黒雲母,金雲母,リチア雲母など。ただし,アルカリ土類を主とする真 珠雲母などは弾性にやや乏しい)。
白雲母の弾性

弾性が著しい白雲母の板状結晶

 なお,通常の岩石を構成する
雲母類以外の造岩鉱物(石 英,長石類,角閃石類,輝石類,かんらん石など)もわずかながら弾性を有 する。ハンマーで大きな岩石の塊をたたいた時にハンマーが跳ね返されるのも岩石を構成する鉱物に弾性があるからである。また,地震波が伝わるのも岩石を構 成する鉱物に弾性があるからである。