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磁 性  〔戻る〕

 鉱物が磁石に吸いつけられる性質。この性質は,一般に用いられている黒いフェライ ト磁石をひもにつるし,それが引きつけられるか否かを調べる。この磁性という意味は鉱物が磁石に付く性質であって,鉱物自身が鉄などを吸いつけるという意 味ではない。
※なお,銀色の希土類磁石(ネオジムやサマリウムなどを含む磁石)は磁力が強すぎて鉱物の同定には使えない。

鉱物の磁性
磁性が顕著な磁鉄鉱。磁性を調べるには黒いフェライト磁石をひもに吊 し,それが吸い寄せられるか否かを調べる。

 数ある鉱物のうちでは,磁鉄鉱・磁硫鉄鉱・ヤコブス鉱・キューバ鉱・鉄−ニッケル合金の鉱物(アワルワ鉱,カマサイト,テーナイ トなど)・自然鉄・アイソフェロプラチナム・自然ニッケルなどが顕著な磁性を示す程度で,磁性の有無はこれらについて非常に有力な同定方法である。なお, 鉄を主成分とする鉱物は数100種類に達するが,そのうちで磁性が顕著なものはこのようなごくわずかな種類である。
 また,磁鉄鉱のような磁性が著しい鉱物が,磁性のない鉱物に混ざっている塊では,磁石が吸い寄せられて磁性があると誤って判定することがあるので注意を 要する。


一 般的な磁 性が著しい鉱物の例
磁鉄鉱
磁鉄鉱
磁硫鉄鉱
磁硫鉄鉱