2軸性結晶の場合    [戻る]


干渉色が低い粒子は光軸方向に近い方向から見ている。その場合,アイソジャイアーは下図のように見える(下図は光軸角が約60°の場合)。



光学的正負を決めるには



そして,2軸性結晶の光軸角は鉱物により異なる。上図の@の状態で観察した場合,光軸角の違いによりアイソジャイアーの形状は下図のように異なる。



光軸角は光学的正負とともに鉱物同定で重要な光学的性質であるが,この性質は固溶体をなす鉱物ではその化学組成(固溶体比)とともに変化するので,かんらん石や斜方輝石などではおおまかな固溶体の化学組成(マグネシウム(Mg)と鉄(Fe)の比率)を推定するのに役立つ。

※光軸角が90°の鉱物の場合,ステージを回転すると下図のように直線に近いアイソジャイアーが回転しているだけに見える。




※光軸にかなり斜交する粒子(干渉色が高い粒子)は,アイソジャイアーの動きはつかみにくい。このような場合でもアイソジャイアーが常にあまり湾曲せずほぼ縦と横の状態で動く場合は1軸性(六方晶系・正方晶系)であり,大きく湾曲したり斜めに見える場合は2軸性(斜方晶系・単斜晶系・三斜晶系)と判断できる。