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光腐食 (平行ニコルで観察)   [戻る]

自然銀以外の,銀を主成分とする鉱物は強い光で単体の銀を遊離しつつ分解する傾向があり,研磨面が腐食する。これを光腐食という。特に角銀鉱・輝安銀鉱が顕著な光腐食を示す。輝銀鉱(針銀鉱)・脆銀鉱・濃紅銀鉱・淡紅銀鉱などもある程度,光腐食を示す。これを観察するには0.25μmのダイヤモンドペーストで傷が少ない良好な研磨面を作り,光源の光を強めにして観察する。
角銀鉱・輝安銀鉱などは,観察し始めて1分程度で1μm程度の細かい暗灰色の斑点が散点状にできはじめ,数分程度でその斑点の数は数倍に増える。1時間も経つと全体がざらざらに荒れたような面となる。しかし個々の斑点の大きさは数μm以下であまり大きくはならない。
光腐食は特に銀を主成分として含む鉱物の同定に重要である。しかし,銀を主成分として含んでいても,テルル化鉱物・セレン化鉱物はほとんど光腐食しない。