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示相化石について
古生物にはある特定の環境下で生息していたものがあり,そのような古生物の化石の産出はそれを含む地層の堆積した当時の環境を推定するのに役立ちます。 このような化石を示相化石といいます。
例えばカイエビは浅い淡水の湖に生息していたので,その化石を含む地層はそのような湖で堆積物が堆積してできたと考 えられます。
示相化石の例
カイエビ/浅い淡水の湖
ブナの葉/やや冷涼な気候
しかし化石には産出した場所でその古生物が生息していた場合(
現地性の化石
)もありますが, 別の場所で生息していた古生物が死後,流水などの作用で移動 して化石となった場合(
異地性の化 石
)もあります。現地性の化石は示相化石として役立ちますが,異地性の化石は示相化石としてあまり役立ちません。
現地性の化石と異地性の化石を見きわめるのは難しいですが,例えば二枚貝の場合なら2枚の殻がひっついて産する場合は現地性の化石のことが多く,2枚の 殻がばらばらになって砕かれて密集して産するものは,死後,殻が海流や海底地すべりなどで集まって堆積したものですから異地性の化石です。また, 陸の植物の化石が海の貝類と一緒になっている場合,その植物は生育していた場所から河川で海へ流されて化石となったものなので異地性の化石です。
現地性の二枚貝の化石/2枚の殻がひっついて産する。
異地性の二枚貝の化石/殻がばらばらになって砕かれて密集してい る。