倉敷市立自然史博物館友の会の行事



第654回自然観察会「おかやま自然探訪69」
 2022年4月29日(金・祝)報告

◆日 時 :2022年4月29日(金・祝)10時30分〜14時30分
◆場 所 :浅口郡里庄町里見およびその周辺
◆講 師:自然史博物館学芸員・佐藤清明資料保存会の方
◆参加者:25名

今回は岡山県の南西部に位置する浅口郡里庄町、瀬戸内丘陵の花こう岩の分布している地域を訪ねます。
雨の降り続く中での湯ノ池から高岡神社をめぐる観察コースでした。
途中、同町出身の博物学者、佐藤清明(1905〜1998)ゆかりのキクザクラ(菊桜)を
佐藤清明資料保存会の方々の案内で見学しました。

殿迫公会堂の駐車場に集合。各学芸員から今日の見どころの説明と、佐藤清明資料保存会の方から日本で最初に新種記載された「菊桜」の説明がありました。

出発して50メートル、幼稚園の電柱のてっぺんにイソヒヨドリの姿がありました。雨にもかかわらず、美しいさえずりを披露してくれました。

   
水生昆虫捕獲用の網の出番。田んぼの用水路ではヤゴやエビの仲間が捕れました。

花が毬のようなキクザクラ。八重咲き桜の一種で、花弁が100枚以上のものを、咲き方が菊のように見えることから<菊咲き>と呼ぶそうです。

   
保存会の方々からキクザクラの特徴(岡山県下で生育する経緯、開花期が長い、花弁数が100〜300枚、段咲きなど)の説明がありました。 本日の一品。オオムギスゲ!
中国地方の瀬戸内海沿岸が主な分布域で、里庄町は主要な生育地のひとつだそうです。
   
   
高岡神社で昼食。庇に入りきれず、社殿を開けていただきました。昼食後、神社の由緒を聞いたり絵馬を見たりしました。 雨風が一層強まった中での復路となりましたが、まとめの時間になってようやく小止みになりました。

キクザクラは一つの花ごと落花するので、数人が許可を得ていただいて帰り、花弁を数えてみました。
花は直径3cmくらいで、花弁数が120枚から174枚までありました。
開花期が4月上旬から約1ヶ月なので、今度こそ青空に映えるキクザクラを見にいきたいと思います。
雨の中、案内をしてくださった佐藤清明資料保存会の方々にお礼申し上げます。

(写真/文:島岡浩恵)


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