倉敷市立自然史博物館友の会の行事



第513回自然観察会「真鍋島の自然」
 2017年1月22日(日) 報告

◆日 時 :2017年1月22日(日) 9時10分〜16時20分
◆場 所 :笠岡市真鍋島
◆案 内 :狩山俊悟(自然史博物館),友の会幹事
◆参加者:29名


 今回の観察地・真鍋島は,瀬戸内の島巡りシリーズでは岡山県側から定期船を使って渡ることができる13の島の最後になりました。島の北東部・城山方面へも足を延ばし,史跡を訪ねつつ暖地性の植物などを観察しました。


笠岡港から沖合約31km。定期高速船に乗り1時間足らずで真鍋島本浦(ほんうら)港に到着しました。まずは海岸通りから南に折れ,集落の中を進みます。 国の登録文化財である真鍋邸の庭先には,樹齢250年といわれるホルトノキがあります。巨樹のたたずまいは堂々としていて,こちらを見守ってくれているような優しさ,温かさも感じられます。
    
ホルトノキの葉と果実。常緑樹ですが,見上げてみると緑色の中に,赤く色づいた葉がぽつぽつと混じっています。  本浦集落から階段を上ったところに円福寺がありました。境内からは集落の屋根の連なりや,きれいに耕された畑や,ダンチクの群落が見下ろせました。
    
木造校舎の残る真鍋中学校の裏山に生えていたクスドイゲ。他に海岸特有の植物として,トベラ,マサキ,オニヤブソテツなどを観察しました。 山越えして島の南東方向にある福良浜に到着。ツルナ,ハマダイコン,ハマナデシコなどの砂浜に見られる植物を観察しました。
    
旧真鍋小学校の校舎を移築したという島宿「三虎」の本館に展示された貝の標本を見学しました。そして食堂に移動,海の幸盛り沢山の昼食をいただきました。 午後は尾根道を北東へ。石垣礎石,空濠などが遺存する標高84mの真鍋城跡=城山(ジャーマ)を経て,島の東端にある標高127mの城山(しろやま)展望台に到着。まだ新しい糞を発見…!
    
笠岡市の重要文化遺産(石造美術品)に指定されている五輪石塔群。岩坪地区の共同墓地内にあります。傍には目通り周囲245cmのソメイヨシノが枝を広げていました。 本浦港に戻り,まとめをしました。「残念ながらオオバグミが見られなかったが,カジノキが城山からの下りにあったのを確認できて良かった」と,狩山学芸員が話されました。まとめの終了と前後して雪交じりの強風が吹き始め,帰りの船ではスリルを味わいましたが,楽しく充実した観察会でした。



(写真/文:森下 裕子)




[博物館のホームページへ]