倉敷市立自然史博物館友の会の行事



第413 回自然観察会 「バードアイランド三宅島へアカコッコに会いに行こう!」
 2013年5月17日 (金)・18日(土)・19日(日) 報告
◆ 日 時 :2013年5月17日(金)21時〜19日(日)20時30分
◆ 場 所 :東京都三宅島
◆ 講 師 :江田伸司(倉敷市立自然史博物館)・坂本明弘(井原市立高等学校)・山ア法子(友の会)・友の会幹事
◆ ネイチャーガイド:穴原奈都さん


集合写真 伊豆岬で
ア カコッコ館で記念撮影
一番右端はネイチャーガイドの穴原奈都さん
伊豆岬で記念撮影
めったにないといわれる無風のよいお天気でした
汽船で バスで大路池へ
5月18日(土)早朝5時 鯖ケ浜港へ東海汽船さるびあ丸着岸
村営臨時バスで大路池(たいろいけ)へ
観察会の様子 アカコッコ館
穴原さんと合流
小学生時代にジャック・モイヤー先生から海の生き物のことを学び,横浜の大学で海洋プランクトンを研究
現在は三宅島の魅力をガイドする島民っ子
アカコッコ館入り口の看板
雄山の噴炎 アカコッコ館
アカコッコ館駐車場から見える雄山の噴煙(火山ガス)
スダジイの大木の中にたたずむアカコッコ館
アカコッコ館入口 観察会の様子
アカコッコ館の入り口
アカコッコ館入り口よりモスケミソサザイを双眼鏡で追う
観察会の様子 野鳥の観察
穴原さんより三宅島の全体像の説明を受ける
アカコッコ館内より水場にやってくる野鳥を観察
タマコマドリ アカコッコ
来た!タネコマドリ 出ました!アカコッコ
大路池の様子 観察会の様子
めったにないという晴天無風で鏡のような大路池
桟橋より大路池を眺める
うーん,ブルーギルが・・・
スダジイ クワの実
ウツギ
タブ
タマアジサイとガクアジサイ テイカカズラ
上を見上げればスダジイのうっそうとした森
足下はタマアジサイとガクアジサイ
クワの果実にウツギの白い花,タブの新芽は赤い
写真に撮れないがテイカカズラの花の香りが漂う中を散策
伊豆岬へ ジオスポット(看板)
村営路線バスで伊豆岬へ
三宅島は各地に「ジオスポット」の看板
ジオスポット巡りだけで2日間はかかる
昼間の伊豆岬 夕方の伊豆岬
昼間の伊豆岬 夕日が沈む頃の伊豆岬
ウチヤマセンニュウ 観察会の様子
チュリチュリチュリと尻上がりに鳴くウチヤマセンニュウ
展望テラスより草の先に現れるウチヤマセンニュウを待つ
夕食の様子 夕食の様子
江田幹事長よりごあいさつ
民宿「スナッパー」のおいしい夕食
日本野鳥の会会員価格がうれしい
翌日 「清魚水産」にて
5月19日(日)朝 「清漁水産」のくさやをおみやげに!
平成12年の噴火による全島避難の際,岡山市内の中学校で
3年間生活していた青山恋乃美(このみ)さんと記念撮影
恋乃美さんのお父さんが漁で捕ってきたムロアジをくさやに
お父さんも全島避難の時倉敷市内で働かれていたというご縁
椎取神社 埋没した鳥居
ジオスポット「椎取神社」
平成12年の噴火した際に伴い発生した泥流により地域一帯が埋没
埋没した神社の鳥居
枯れた木々 新芽
枯れた木々
現在は火山ガスの風下に当たり山頂にいくほど木々は枯れたまま
しかし,椎取神社付近では株や幹から芽が出始めている
三七山 スコリアの山
ジオスポット「三七山」(さんしちやま)
昭和37年の噴火の際にできたスコリアの山
スコリア:火山噴出物の一種で,塊状で多孔質のもの
観察会2日目 観察会の様子
5月19日(日)2日目は貸し切りバスで探鳥地とジオスポットを巡る
ネイチャーガイドの穴原さん(左)と
乗船券でお世話になった元島民の田中さん(右)
三池・沖ヶ平地区
警報警報
三池・沖ケ平地区のみは火山ガスの風下に当たり
今も居住が制限されている
この日も火山ガスの注意報レベル1(青色回転灯が点滅)が出ているので,呼吸器系の敏感な方は屋内へという放送
(二酸化硫黄のにおいがかすかにする程度)
カンムリウミスズメ ジオスポット「火山体験遊歩道」
富賀浜を見下ろす岬からカンムリウミスズメらしき鳥影を観察
昭和58年の火山噴火で溶岩に飲み込まれた阿古小学校と阿古中学校
ジオスポット「火山体験遊歩道」として整備されている
観察会の様子 校舎の中
2階部分まで溶岩流が・・・ 校舎の中にも溶岩流が・・・
観察会の様子 観察会の終わり
整備された歩道から溶岩流の広大さを実感
イタドリやオオバヤシャブシが芽生え始めている
帰りは船上よりオオミズナギドリとハシボソミズナギドリ
そしてトビウオの飛翔にザトウクジラのブローを観察


月に何度か出張する際に,機内から右下に三宅島の噴煙を眺めては,アカコッコが生息している三宅島におじゃましたいと思って いました。今年2月に大阪で会議があったとき,三宅中学校の先生と話をする機会があり,ますます気分は高まりました。ちょうど前後して友の会では,自然観察会を三宅島でという計画が進行していましたから便乗しないわけはありませんでした。
 4月17日に三宅島近海で発生した地震の影響を考慮,また火山ガスの濃度の変化に注視して,5月になって予定通り観察会を開催することが決定されました(参加するか否かは各自自己判断です)。
 週間天気予報ではあいにくの雨模様でしたが,梅雨前線の北上が遅くなることを願って当日を迎えました。参加されたみなさんの日頃の行いがよほど良いと見えて,2日間とも晴天の上,三宅島ではめずらしい無風ということで,アカコッコにイイジマムシクイ,ウチヤマセンニュウにカラスバト,オーストンヤマガラ,モスケミソザサイ,シチトウメジロ,タネコマドリ,アオバズク,カンムリウミスズメと,出会いたい野鳥すべてに会うことができました。
 ところで,私にとってはもう1種,いえもう一方お会いしたい人がいました。平成12年の全島避難の際に,当時中学1年生で岡山市内の中学校にやってきた青山恋乃美さんです。田舎に芸能人が突然おじゃまして民泊するテレビ番組を観ていて,恋乃美さんが三宅島の復興を願ってお父さんと三宅島にもどっていることを知っていました。家内が担任していたこともあり,アカコッコと同じくらい出会ってみたいと思っていました。探していると,宿泊した「スナッパー」と同じ神着地区でくさやの製造販売のお店を開いていました。アカコッコと同じくらいまん丸い瞳をきらきらさせて,とびきりの元気な笑顔で私たちを迎えてくれました。彼女の「三宅島をよろしくお願いします」の声に,アカコッコを観に何度も来ようと思いました。
 また,三宅島の自然を愛してご活躍されておられるネイチャーガイドの穴原さんにも出会うことができ,こうした若い世代の人の熱意に大変勇気づけられました。
 参加者のみなさんも,鉄路,空路,船路の長旅でお疲れだったと思いますが,それぞれ体調を管理されたおかげで,三宅島の自然をご一緒に楽しむことができ,心が満たされた次第です。多くの野鳥や植物,自然と,お人柄の魅力いっぱいな方々に出会う機会を,微に入り細に入り,用意周到に計画準備,遂行してくださった友の会の幹事の皆様に,深く感謝申し上げて旅行記のお礼のあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。


(文/写真:藤本 義博)




[博物館のホームページへ]