倉敷市立自然史博物館友の会の行事



第272回自然観察会「第12回 シダの世界」
 2007年7月8日報告

◆日  時:2007年7月8日
◆場  所:総社市岡谷 和霊山
◆参加者:36名


シダシリーズも12回になりました。
今回は,岡山県南の総社市(旧山手村)の和霊山での観察です。
シダの少ない地域にわずかに点在している堆積岩系の谷を歩きました。
そのため,シダはとても豊富でした。


恒例の今回見られるシダの予習です。ベニシダやオオイタチシダの仲間のハの字の説明。
参加者36名,初心者の方が多かったようです。それもそのはず。「写真で分かるシダ図鑑」(池畑怜伸著 トンボ出版)が発行されて初めての観察会だったのです。シダ図鑑片手に熱心な参加者の皆さんです。


今回は2班に分かれました。こちらは岡山大学資源生物科学研究所の山下先生の班です。
「イノデ属は世界に200種以上あって,日本には30種以上あり,雑種はもっと多い」。ん〜。
こちらはお馴染み池畑先生班です。
「このシダはイノデの仲間です。図鑑に載っているイノデ属を見分ける田の字を見てみると,葉にツヤがあって黒くてツヤのある細い鱗片でカタイノデにきまり!!!」


リョウメンシダの大群落です。
細い山道に参加者の長い列ができました。皆さん,熱心です。


無事和霊神社に到着しました。ここでやっとお昼 です(12時をとっくに過ぎていました)。午前中に採集したシダの復習です。
ここで博物館の狩山先生から標本の作り方のデモ ンストレーションです。
「シダはソーラスがついている面が見えるように折りたたみます。」大きい葉を折りたたむのは大変です。


ナガバノイタチシダ。岡山県では十数か所生育が確認されている。今回のメインのひとつ。
無事和霊山を下りました。お疲れ様でした。


【今回の観察会で確認されたシダ】
ヒロハノトウゲシバフユノハナワラビゼンマイキジノオシダウラジロ
コシダカニクサイワヒメワラビフモトシダワラビ
ホラシノブイワガネソウシシガシラハカタシダオニカナワラビ
ホソバカナワラビリョウメンシダホソバナライシダイノデカタイノデ
ベニシダトウゴクシダオオベニシダナガバノイタチシダオクマワラビ
オオイタチシダ(細葉型,広葉型,長葉型,ツヤなし型)
ヒメイタチシダヤマイタチシダミゾシダゲジゲジシダミドリヒメワラビ
ハシゴシダコハシゴシダヤワラシダハリガネワラビホシダ
ホソバイヌワラビヤマイヌワラビヒロハイヌワラビシケチシダシケシダ
ノキシノブミツデウラボシ


(写真/文:平田 法子)




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