かんらん岩(かんらんがん)  peridotite
かんらん岩は,ケイ酸分(SiO2)が少ない(約45%以下),マグマが地下深部でゆっくり冷えて固まってできる。 密度が高く(約3.5g/cm3),上部マントル(地球の表面から数10km〜400kmの深さの領域)を構成している。黄緑色 〜褐緑色のかんらん石や黒〜暗褐〜緑黒色の輝石類(頑火輝石,透輝石)がモザイク状に集合している(等粒状組織)。長石類はほとんど含まれない。
地下深部で水分の影響を受けて変質し,蛇紋岩に変化しているものも多い。したがって,かんらん岩 と蛇紋岩は一緒に産することが多い。日本のかんらん岩はくすんだ緑色で,変 成作用を受けて全体が緻密均質になったものが多い。
かんらん岩
かんらん岩
かんらん岩/くすんだ緑色で緻密均質。おおむね,かんらん石からできているが,変成作用を受け,もとの等粒状組織は失われている。
かんらん岩/地下深部での急激なマグマの活動により,上部マントルのかんらん岩が破片として地表に放出されたもの。もとの等粒状組織がおおむ ね残っている。


岡山県内のかんらん岩について
かんらん岩は県内では北西部の新見市に分布している。地下深部で水分の影響を受けて変質し,蛇紋岩に変化しているものが多い。したがって,かんらん岩と蛇 紋岩は一緒に産することが多い。
また,新生代第三紀にマントルで発生した玄武岩(アルカリ玄武岩)のマグマが,マントルのかんらん岩の砕き,その数cm大の岩片を取り込んで,地表へ持ち 上げてきたものもある。(新見市哲多町の荒戸山など)
岡山県のかんらん岩
玄武岩中のかんらん岩の小塊/新見市哲多町荒戸山産。黒 いアルカリ玄武岩中に径1〜5cm程度のくすんだ黄緑色の上部マントルのかんらん岩の岩片が含まれている。