【ヒ素(ひそ)】(15族 元素記号:As)   [周期表へもどる]
 
<自然界での産出>
 ヒ素は自然界では単体(自然ヒ)として産することもあるが,多くは硫ヒ鉄鉱として 産し,これが資源として重要
 他に,ヒ鉄鉱(FeAs2),鶏冠石,石黄などとして産する。
<用途>
 ガリウムとの化合物(ガリウムひ素:GaAs)は半導体として重要。
 なお,江戸時代以前の寛永通宝などの銅貨幣にも数%以下で含まれている。

自然ひ 
 自然ヒ native arsenic
 成分:単体のヒ素 As
 熱水作用で生成する。金平糖状,ぶどう状などをなし,重い。これは表面は酸化しているが,内部は銀灰色で金属光沢がある。
・福井県赤谷鉱山産
 硫ひ鉄鉱
 硫ヒ鉄鉱  arsenopyrite 
成分:鉄の硫ヒ化物 FeAsS
 銀灰色で鈍い金属光沢があり,重い。ヒ素の鉱石として最も重要
・岡山県高梁市備中町山宝鉱山産
鶏頭石
鶏冠石  realgar  
  
成分:ヒ素の硫化物 As4S4
 鮮やかな朱色だが,長く日光にさらすと分解して黄色粉末状になる。地表近くの低温の熱水作用で生成する。
 鉱物としては珍しく分子結晶で,As4S4分子がファンデルワールス力で結びついている。
・群馬県西牧鉱山
石黄
石黄  orpiment 

成分:ヒ素の硫化物 As2S3
 黄色塊状・粒状で,鶏冠石と共に地表近くの低温の熱水作用で生成する。
・北海道定山渓産