赤銅鉱 cuprite Cu2O 等軸晶系 [戻る]

暗く,反射色は帯青灰色,等方体で,平行ニコルでは特徴がない。脆いため欠けが生じやすく,小穴が多い荒れた研磨面になることが多い。クロスニコルでは深紅色の内部反射が著しい。一見,辰砂や褐鉄鉱などに似る。 他形のことが多く,空隙に面した部分には8面体やそれに6面体の面が加わった自形が見られることがある。
硫化鉱物に接して産することは少なく,銅鉱床の地表付近から,黄銅鉱や斑銅鉱などの初生銅鉱物の分解による二次鉱物として自然銅,孔雀石,珪孔雀石,青鉛鉱などの二次銅鉱物に伴って産することが多い。これ以外の産状を示すことはほとんどない。
成分変化に乏しく,光学的性質は一定している。錆びにくいが,古い研磨片は黒ずんで内部反射が弱くなっていることがある。

反射色/帯青灰色
反射多色性/なし
異方性/なし
反射率(λ=590nm)/約20%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/180〜220
内部反射/深紅

 



銅鉱床の酸化帯の赤銅鉱(Cup) 山口県大和鉱山
平行ニコル
粗粒なものは深紅の内部反射があり,細粒のものは赤色の内部反射がある。辰砂・濃紅銀鉱・淡紅銀鉱とは異なり等方体で,かつ,それらとは産状が異なる。褐鉄鉱との区別が困難な場合が多い。
Cu:自然銅,Ma:孔雀石